循環型農法を活用した栽培施設「ふじさわアクポニビレッジ」がオープン

株式会社アクポニは、水耕栽培と魚の養殖を組み合わせた次世代型の循環型農法「アクアポニックス」を活用して野菜と魚を生産する栽培施設「ふじさわアクポニビレッジ」を神奈川県藤沢市にオープンした。


「アクアポニックス」は、魚の排泄物を微生物が分解し、植物が栄養として吸収した後、浄化された水が再び魚の水槽に戻る仕組みを利用して農作物を栽培する循環型農法。土耕農法の約7倍の収量を誇る高い生産性と約80%以上の節水効果を生む環境負荷の少ない栽培が特長で、アメリカの有機認証であるUSDAの取得も認められる。

「アクアポニックス」の仕組み

実証実験やイベントを開催


「ふじさわアクポニビレッジ」は、同社が2021年2月に開設した「湘南アクポニ農場」に続く第2の拠点としてオープンしたコミュニティ型のアクアポニックス栽培施設である。

特長は以下の通りだ。

1.都市型パッケージ農園「アクポニハウス」初のショールーム

同社が2021年11月に発売した商品「アクポニハウス」の全ラインナップを初展示。
「アクポニハウス」は、最新型の縦型水耕システムと養殖設備を立体的に組み合わせて使用する小型の栽培施設で、5・30・100の3サイズを展開している。


「アクポニハウス」で栽培する野菜の様子

「アクポニハウス」で育つチョウザメの様子

2.実証実験の実施

IoTセンサーとWEBカメラを取り付けたサイズの異なる3棟のアクアポニックス生産設備を設置して、3つの実証実験を同時に実施。アクアポニックスに特化した生産管理アプリで収集した生育環境データを活用して、生産技術の改善やシステムの効率化を進める。

実証実験の内容
・新しい作物品種や魚を組み合わせた生産技術の研究
・アクアポニックス生産によるエネルギー効率化、資源循環の定量的・定性的評価
地産地消農福連携、教育など地域コミュニティとの連携による価値創造

また、他社と共同で運営する試験場の一部区画ではアクポニ技術スタッフによる生産技術のサポートも実施。
今後は、業種や業界が異なる企業との連携による相乗効果を目的に技術交流や研究依頼等にも対応していく。





3.野菜の一般販売やイベント開催を予定

2022年6月に開始した参加型のユーザーコミュニティ「アクアポニックス・コミュニティ」と連携して資源循環や食育を学べるイベント等を開催。2022年夏頃にはアクアポニックスで生産した野菜と魚の一般販売の開始も予定している。

オープンを記念して、2022年7月1日から7月31日までの1カ月間、「湘南アクポニ農場」と「ふじさわアクポニビレッジ」の2か所を通常の半額で見学できるキャンペーンも実施。

アクアポニックスを通じ動植物の生態系を学ぶ子ども向けのイベントも開催する予定。

同社は、「ふじさわアクポニビレッジ」の運営を通じ、都市部の遊休地や廃熱、排水などの資源を一次産業に活用する小規模分散型の都市農業を推進していく構えだ。

農場見学概要


期間:2022年7月1日〜2022年7月31日
日時:毎週水・土曜日 16:00〜17:30(完全予約制)
費用:1名5500円(税込)
見学スケジュール
・ 16:00~16:40 湘南アクポニ農園
・ 17:00~17:30 ふじさわアクポニビレッジ
申込:https://aquaponics.co.jp/shonan-aquponi-farm/


株式会社アクポニ
https://aquaponics.co.jp
アクポニハウス製品紹介ページ
https://aquaponics.co.jp/aquponi-house/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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