ハタケホットケ、有機栽培米を使用した学校給食の普及に向け実証実験を実施

長野県を本拠にロボット技術を活用した農業生産の負担軽減に取り組む株式会社ハタケホットケは、松川町、公益財団法人自然農法国際研究開発センターと共同で、小規模農家向けの水田除草ロボット「ミズニゴール」を活用した実証実験を実施した。



除草剤を使用せずに雑草を抑制


「ミズニゴール」は、水田の泥をかき混ぜながら走行して、雑草の光合成を遮断するラジコン式の車両ロボットである。

ミズニゴール

「ミズニゴール」の特長
  • 除草剤を使用せずに雑草の発生を抑制
  • 10アールあたり約2時間かかる水田の除草作業を20分前後で完了
  • 防水性・耐久性に優れたグラスファイバー素材を使用した軽量な本体(約7kg)
  • 壊れにくいシンプルな構造

有機米を使用した学校給食の普及を目指す


今回の実証実験では、有機・自然農法の研究開発を進めてきた自然農法国際研究開発センター協力の下、移住促進に向け有機栽培農産物を使用した学校給食の普及を図る松川町と連携し、ミズニゴールを活用した有機栽培の米作りを実施。

除草量の増加や作業効率のアップなど機能の向上や作業負担の軽減を目的に、さらなる省人化方法の検討を行ったという。

実証実験の様子

実証実験の様子

松川町の小学生

松川町の学校給食

今後は、性質の異なる地質などさまざまな特性・環境に合わせた除草効果の評価・分析も進める予定で、2023年春にはGPSを搭載したソーラー駆動型モデルのリリースを計画しているとのこと。

同社は、「ミズニゴール」の提供を通じ、有機・自然農法のスマート化を進めることで、松川町が推進する有機米を使用した学校給食の普及に貢献したい考えだ。


株式会社ハタケホットケ
https://hhtk.jp/
松川町
https://www.town.matsukawa.lg.jp/
公益財団法人自然農法国際研究開発センター
https://www.infrc.or.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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