ネタフィム社、メタンガスの発生を抑制する点滴灌水を水稲栽培に導入

イスラエルを本拠に点滴灌水を用いた灌水制御システムを開発するネタフィム社の日本法人で、灌水制御機器等の販売を手がけるネタフィムジャパン株式会社は、点滴灌水を導入した水稲栽培の実証実験を秋田県五城目町と長野県東御市で開始した。


点滴灌水とは、イスラエルの乾燥地帯で生まれた灌水技術のこと。少量の水を時間をかけながら少しずつ与えていくのが特長で、収量・品質のアップ、灌水・施肥作業の高効率化のほか、水田の土壌に含まれる有機物が分解する際に発生するメタンガスを抑制する効果が確認されている。

サステナブルな米生産への転換を後押し


現在日本では、温室効果ガスの排出による気候変動の影響を背景に、環境負荷の少ない農業生産への転換が進められている。しかし、日本全体で排出される温室効果ガスの量が2013年をピークに減少している中、農林水産業の排出割合だけが4%前後で推移しているなど、一定の成果を得るまでには至っていないのが実情という。

このような状況を背景に、農林水産省では「みどりの食料システム戦略」を策定して、2050年を目標に農林水産業のCO2排出量をゼロにする取り組みを進めているが、近年はCO2の28倍の温室効果があるといわれるメタンガスの排出に対応した対策を求める声も増えていた。

今回の実証実験では、秋田県五城目町の農業法人である株式会社NewJoyと長野県東御市の農業法人である株式会社白倉ファームが保有する2つの乾田を実証フィールドに、点滴灌水システムを導入した水稲栽培を実施。

メタンガスの抑制方法として有名な中干し期間の長期化に代わる新たな対策方法を確立することで、農作業の省力化や労働力の軽減など日本の水稲栽培が抱える課題を同時に解決していく。

実証実験圃場(長野県東御市八重原地区)

点滴チューブを設置する様子

点滴チューブの詰まりを防止するフィルターや稲の成長に必要な栄養分を補給する施肥装置

田植え後、水を落として点滴灌水システムおよび点滴チューブを設置した直後の様子

点滴灌水システム導入1か月後の様子。点滴チューブで灌水した水が乾いた田に浸透し、稲が成長している。

実証実験のプロジェクト動画
「米の生産をサステナブルに転換!点滴灌水による米の栽培がスタート」


同社は、国内初となる実証実験を通じ、日本の農地の54%を占めるといわれる水田から発生するメタンガスをゼロにすることで、環境負荷の少ないサステナブルな米生産への転換を後押ししたい考えだ。


ネタフィムジャパン株式会社
https://www.netafim.jp/
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  1. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  2. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  3. さわちん
    2児の父。あるきっかけにより農業のイメージを変えたいと考え、16年間のサラリーマン生活にピリオドを打つことを決意。2020年春、家族で田舎に移住し、新規就農を目指す。自身が「移住×就農のモデルケース」となるために、いろんな方面へ向けて奮闘中。
  4. 福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  5. 窪田新之助
    農業ジャーナリスト。福岡県生まれ。日本経済新聞社が主催する農業とテクノロジーをテーマにしたグローバルイベント「AG/SUM(アグサム)」プロジェクトアドバイザー、ロボットビジネスを支援するNPO法人Robizyアドバイザー。著書に『日本発「ロボットAI農業」の凄い未来』『GDP 4%の日本農業は自動車産業を超える』(いずれも講談社)など。