セラク、圃場遠隔制御サービス「みどりスイッチ」の提供を11月1日より開始

株式会社セラクは、みどりクラウドシリーズの新製品として、圃場遠隔制御サービス「みどりスイッチ」の提供を2024年11月1日から開始する。


最低限のコストで既存施設のクラウド化が可能に


農業従事者が減少する中で、安定した食料供給体制を確立するためには、農業の生産性を高めることが求められている。

こうした中、セラクでは圃場環境を遠隔でモニタリングできる「みどりクラウド」を2015年から提供してきた。みどりクラウドの提供によって、これまでに全国累計3000箇所を超える圃場の栽培環境を可視化し、栽培の安定化を実現している。

今回、新たに「みどりスイッチ」をリリースしたことにより、圃場内の設備を遠隔から操作することが可能となり、農業生産の省力化と生産性向上につながるという。


みどりスイッチを利用することで、生産者は自身のスマートフォンから圃場内の設備に電気信号を送ることができる。この電気信号により、圃場内の制御装置の稼働をコントロールできるため、圃場を巡回しなくても、遠隔から圃場設備の制御を行えるという仕組みだ。

例えばある圃場では、灌水はポンプを稼働させ、コックを開く作業工程がすべて手作業で行われていたため、灌水作業に2~6時間を費やしていた。そのため、スイッチを入れれば自動的に一定時間灌水が行われる灌水制御盤が開発され、省力化が進められてきた。

しかし、依然としてスイッチを入れる作業は人が行っていたため、灌水制御盤を導入したとしても、作業時間は1~2時間を要していた。こうした圃場にみどりスイッチを導入することで、生産者が現地に行かなくても遠隔で手元のスマートフォンから操作が可能となり、およそ1分程度で作業を完了させることができるという。

これまでにもみどりクラウドでは、三基計装株式会社のふくごう君シリーズや、東都興業株式会社の電動カンキットN制御盤Plus、高圧ガス工業株式会社の炭酸マスターなどさまざまな制御機器との連携を行ってきたが、今回のみどりスイッチは汎用性が高く、接点入力を有する機器であれば接続が可能であるため、すでに栽培の現場で利用されている機器をそのまま使用することが可能だ。

みどりスイッチのリリースにあたり、先行して試験導入した生産者からは、「ビニールハウスごとに現地にて灌水開始の作業を行っていたため、導入により大きな省力化につながった」「タイマー設定では実現できなかった、モニタリングデータを活用した細かい環境制御が可能となった」といった声が上がっているという。

セラクは、今後も農業の生産性向上に役立つスマート農業技術の提供を行っていくとしている。

製品概要

「みどりスイッチ」
寸法:W100mmH35mmD73mm
重量:132g
電圧・消費電力:12V / 30mA(最大100mA リレーコイル動作時)
付属ケーブル:
みどりボックス‐みどりスイッチ間(1~5m)
みどりスイッチ-制御盤間(1~5m)
防水性能:簡易防水


株式会社セラク
https://www.seraku.co.jp/
みどりクラウド
https://info.midori-cloud.net/
みどりスイッチ製品情報(pdf)
https://midori-cloud.net/download/midori_switch.pdf
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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