アクアポニックス向けIoTサービス「マナシステム」を導入した農場が岐阜県にオープン

愛知県名古屋市を本拠にパソコン・スマートフォン向けのゲーム制作を手がける株式会社スーパーアプリは、水耕栽培と水産養殖を組み合わせた循環型農法であるアクアポニックス専用の栽培施設「マナの菜園」を岐阜県加茂郡八百津町に開設した。

マナの菜園(岐阜県加茂郡八百津町)

アクアポニックスは、魚の排泄物を微生物が分解し、植物が栄養として吸収した後、浄化された水が再び魚の水槽に戻る仕組みを利用して農作物を栽培する循環型農業システム。高い生産性と節水効果を生むことから、環境負荷の少ないサステナブルの農法として注目を集めている。

アクアポニックスの仕組み

アクアポニックス向けIoT「マナシステム」を導入


「マナの菜園」は、同社がゲーム開発で培ってきた技術を活用して開発した「マナシステム」を導入した国内最大級のアクアポニックス栽培施設である。

「マナシステム」は、室温、湿度、照度、二酸化炭素濃度、電気伝導率(EC)、水温、水素イオン指数(pH)、総溶解固形物(TDS)、溶存酸素量(DO)など、アクアポニックスに必要な水陸の複合データを一元で管理するIoTサービスで、内蔵カメラを利用して施設内の様子をリアルタイムに確認する機能や換気ファンのON・OFF、遮光カーテンの開閉、自動給水など施設内の環境を遠隔から制御する機能も備える。

「マナシステム」

総面積は2800平方メートルで、築40年の中古農業用ハウスの再生にも成功。

自社のリソースを活用して40年の中古農業用ハウスを再生

現在は、国内アクアポニックスのリーディングカンパニーである株式会社アクポニの協力の下、リーフレタスやロメインレタスなどの栽培に取り組んでいる。

上空から見た様子(中央6棟)

栽培施設の中の様子

栽培ベッド(現在は5割程度が稼働)

リーフレタスなどの栽培からスタート

養殖中のティラピア(イズミダイ)

施設内に設置されたフィッシュプール

フィッシュプールと栽培ベッドの間で水が循環する様子

「マナの菜園」紹介動画

なお、生産した野菜は産直通販サイト「食べチョク」などを通じて販売していく予定とのこと。


株式会社スーパーアプリ
https://www.super-appli.co.jp/
「マナシステム」
https://www.super-appli.co.jp/manasystem
株式会社アクポニ
https://aquaponics.co.jp/
食べチョク「マナの菜園」ページ
https://www.tabechoku.com/producers/25690
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WRITER LIST

  1. よないつかさ
    1994年生まれ、神奈川県横浜市出身。恵泉女学園大学では主に有機栽培について学び、生活園芸士の資格を持つ。農協に窓口担当として5年勤め、夫の転勤を機に退職。アメリカで第一子を出産し、子育てをしながらフリーライターとして活動。一番好きな野菜はトマト(アイコ)。
  2. syonaitaro
    1994年生まれ、山形県出身、東京農業大学卒業。大学卒業後は関東で数年間修業。現在はUターン就農。通常の栽培よりも農薬を減らして栽培する特別栽培に取り組み、圃場の生産管理を行っている。農業の魅力を伝えるべく、兼業ライターとしても活動中。
  3. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  4. 沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  5. 田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。