DJI、圃場調査向けの小型ドローン「Mavic 3 Multispectral」を発売

世界最大手のドローンメーカーであるDJIは、精密農業や環境モニタリングの分野で活用できるマルチスペクトル画像システムを搭載したドローン「Mavic 3 Multispectral」を発売した。参考価格は約70万円から。


世界の精密農業の発展を推進


「Mavic 3 Multispectral」は、DJIのコンシューマー向けドローンのフラッグシップモデルの設計に基づき開発された民生用のドローン。重量は951gで、プロペラを折り畳めば一般的なサイズのバックにも収納できる。

特長は以下の通りだ。

1.RGBおよびマルチスペクトルイメージングシステム
・2in1カメラシステムを活用してさまざま情報を表示・収集。
・4/3インチCMOS、2000万画素イメージセンサー、最高速度1/2000sのメカニカルシャッターを搭載したRGBカメラを採用。
・最速0.7秒の高速連続撮影。
・4眼式マルチスペクトルカメラを活用して人間の目では感知できない細部の情報を感知。
・500万画素の解像度を誇る4つのマルチスペクトルカメラを搭載。
※以下の波長のスキャンが可能
グリーン(G):560nm ± 16nm
レッド(R): 650nm ± 16nm
レッドエッジ(RE):730nm ± 16nm
近赤外線(NIR): 860nm ± 26nm
・高精度な航空測量、農作物の生育状況の把握、自然資源調査を実現。

2.RTKによるセンチメートル単位の測位
・センチメートルレベルの測位を実現するRTKモジュールを搭載。
・各カメラの撮像中心の位置情報を正確に取得。
・標定点を使用せずに高精度な航空測量を行うことが可能。
・連続約43分の飛行が可能なバッテリーを搭載。
・1回のフライトで200ヘクタールのエリアの測量・地図作成作業が可能。

3.より安全な運用を目指した設計
・2チャンネルの送信信号と4チャンネルの受信信号を統合したDJI 03 Enterprise伝送を搭載。
・最大8kmの超長距離伝送に対応。
・障害物を正確に回避する全方位障害物検知機能を搭載。

4.無限の可能性
スマート農業などさまざまなエコシステムとの統合が可能。
・Pilot 2のMQTTプロトコルに基づく内蔵のDJI Cloud APIを通じて、サードパーティのクラウドプラットフォームに接続し、情報やリアルタイム映像、写真データ等を直接収集できるため、個別のアプリを開発する必要がない。
・Mobile SDK 5(MSDK5)に対応しているためインテリジェントモニタリングなどのシナリオに合わせた専用の制御アプリを開発することも可能。

5.精密農業のための新しいツール
・山林や果樹園でも地上と同じような空撮が可能。
・DJI TerraとDJI SmartFarmプラットフォームを活用してNDVI植生指標を生成。
・自動圃場スカウティングを活用して農作物の異常を検出しインテリジェントな分析を実行。
・約70ヘクタールの農地を1人で管理することが可能。

販売元はDJI正規販売代理店で、日本での出荷は2023年1月が予定されている。


DJI
https://www.dji.com/jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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