農業副産物を活用した「高機能バイオ炭」の開発がNEDOの基金事業に採択

株式会社ぐるなび、全農、片倉コープアグリ株式会社、ヤンマーエネルギーシステム株式会社、農研機構の5者は、「農業副産物を活用した高機能バイオ炭の製造・施用体系の確立」が、NEDOの「グリーンイノベーション基金事業/食料・農林水産業のCO2等削減・吸収技術の開発」に採択されたと発表した。事業期間は2022年度から2030年度まで。


「グリーンイノベーション基金事業/食料・農林水産業のCO2等削減・吸収技術の開発」とは、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを推進する企業等を対象に、研究開発や実証実験に掛かる費用などを支援する事業のことである。

種籾や果樹の剪定枝などを炭化


「農業副産物を活用した高機能バイオ炭の製造・施用体系の確立」は、土壌改良や炭素の長期固定などの効果を有するバイオ炭の製造・施用コストを削減しながら農作物の収量向上を目指すプロジェクト。

プロジェクトでは、稲の籾殻や果樹の剪定枝などの農業副産物を炭化し、土壌病害菌を抑制するなどの効果を示す有用微生物の機能を付与した「高機能バイオ炭」を開発。

農作物の種類や気象・立地条件に応じた施用体系や、農地に貯留されたCO2量を環境価値に変換する評価手法を確立する実証実験を全国各地で実施し、「バイオ炭の施用費の圧縮」、「バイオ炭による単収向上」、「環境価値農産物の単価向上」、「J-クレジット収入の拡大」の4つを実現していく。

 
5者は、「農業副産物を活用した高機能バイオ炭の製造・施用体系の確立」を通じ、みどりの食料システム戦略の実現など農業の脱炭素化に向けた取り組みに貢献していく構えだ。


NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
https://www.nedo.go.jp/
「グリーンイノベーション基金事業/食料・農林水産業のCO2等削減・吸収技術の開発」
https://www.nedo.go.jp/koubo/SM2_100001_00015.html
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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