JR東日本と山形県ら、1日農業バイトアプリで企業人による農業労働力確保に向けた実証実験を開始

JR東日本、山形県農業労働力確保対策実施協議会、NTT東日本、東北電力株式会社の4者は共同で、 1日農業バイトアプリ「daywork」を活用して、人手不足に悩む農家と農業に関心のある企業人をマッチングする実証実験を開始した。

企業人の副業・ボランティアによる農作業支援を通じ、農繁期の人手不足を解消することで、地域農業の振興や交流人口の拡大、持続的な地域活性化を図っていく。


「daywork」は、人手不足に悩む農家と農業に関心のある働き手をつなぐスマートフォンアプリ。1日単位の農業バイトが探せるのが特長で、2022年度は全国で延べ8万2000人以上のマッチングに成功したという。

「daywork」に法人向け利用機能を追加


近年、日本の農業は高齢化、担い手不足などにより、農繁期の人手不足が大きな課題となっている。山形県では「やまがた農業ぷちワーク」として、「daywork」を活用した労働力確保に取り組んでいるが、働き手の不足などを理由に抜本的な課題解決には至っていないという。

また、企業においてもテレワークの推進や副業の解禁など、企業人が農業現場で活躍できる環境が整備されつつあるが、受け入れ先の確保や社内諸手続きに多くの時間を要するなどの課題を抱えている。


今回の実証実験では、企業人の副業・ボランティアによる農作業支援を実施し、人手不足を解消するとともに、企業が従業員の副業等を推進する環境づくりを目指す。

「daywork」には法人向け利用機能を追加して企業の従業員が1日単位で農作業に参加できる環境を整備。各企業が「daywork」の法人会員として登録すると、従業員は掲載された求人に対して「副業」「ボランティア」を選択して応募できる。法人会員の管理画面で従業員の副業先や副業時間数等を把握でき、労務管理の効率化も可能になるという。

さらに、企業側が労務管理上必要とする機能の検証や、参加した従業員側・受入れた農家側それぞれの課題などを把握するアンケート調査も実施していくという。実証実験の期間は2023年6月から12月まで。


各者の役割は以下の通りだ。

JR東日本
・「daywork」アプリへの法人向け機能の要件整理、
・アプリを活用した従業員による農業支援への参画
・本取り組みを通した副業推進に向けた社内への情報発信

山形県農業労働力確保対策実施協議会
・実証実験の地域農家への周知
・実証実験後の農家側へのヒアリング調査

NTT東日本
・アプリを活用した従業員による農業支援への参画
・本取り組みを通した副業推進に向けた社内への情報発信

東北電力
・アプリを活用した従業員による農業支援へのボランティアによる参画
・本取組みに係る社内への情報発信


1日農業バイトアプリ「daywork」
https://day.work/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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