自動化農業システム「Sustagram Farm」のモデルハウスが鹿児島県に竣工

株式会社タカミヤとAGRIST株式会社の共同事業である自動化農業システムパッケージ「Sustagram Farm」の農業用モデルハウスが鹿児島県東串良町に竣工した。


農業用ハウス×ロボット×AIで持続可能な農場整備をサポート


「Sustagram Farm」は、「経験と勘からの脱却」を目的とし、ロボットとAIを活用し再現性高く稼げる農業を実現させるための、自動化農業システムパッケージだ。

AGRISTが展開する農業用ロボット、データを用いた再現可能性の高い農業アシストサービス、スマート農業に最適化されたタカミヤの農業用ハウスの事業をかけ合わせ、農業経験値の低い人でも使いこなせる、持続可能な農場整備をサポートする。


ハウスに導入するAGRISTのロボットは、ピーマン自動収穫ロボット「L」。搭載されているカメラから得たハウス内のピーマンの画像をAIが識別・判断し、自動で収穫を行う農業用のロボットで、独自機能の収穫ハンドで茎を短くカットし、ピーマンの出荷基準の茎の長さにしてくれるため、収穫後そのまますぐに出荷できるという。

また、ロボットがハウス内を移動しながら各農場ごとのオリジナルデータを集めることで、より効率的な営農の場や環境を提供する仕組みの搭載も予定されている。


タカミヤの農業用ハウスは「G-Castle Neo48」を使用。施設園芸協会の構造指針に基づいた独自の設計手法により日影となる鋼材を極力減らし、堅牢でありながらより採光性の高い作物の生育に理想的な環境を実現。屋根面のアーチに汎用性の高い48.6φ(直径 48.6mm)足場鋼管を採用し、建設コストの低減にも取り組んでいる。

大きな天窓を標準装備しているので換気性も高く、ハウス内の環境制御や高温対策に取り組みやすい仕様。また、アーチパイプの強度を高くしたことで、ピッチ幅を従来の50cmから150cmに広げ、日影になる鋼材の量を削減。従来の農業用ハウスと比較してより多くの日光を取りこむことが可能となっている。

なお今回は、AGRISTのピーマン自動収穫ロボット「L」に適応するために、ハウス内上部にワイヤー式のレールを作成し、日々の管理作業を遮らないよう、ハウス内の高位置にロボットが旋回するレールを作成したという。


株式会社タカミヤ
https://www.takamiya.co/
AGRIST株式会社
https://agrist.com/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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