中越パルプ工業と丸紅、セルロースナノファイバーの農業利用の取り組みが「みどりの食料システム法」基盤確立事業実施計画に認定

中越パルプ工業株式会社と丸紅株式会社は、ACCセルロースナノファイバー(CNF)を用いた植物向けの新たな物理的防除資材である「nanoforest-S 【アグリ】」の普及に関する取り組みが、「みどりの食料システム法に基づく基盤確立事業実施計画」に認定されたと発表した。

みどりの食料システム法とは、温室効果ガスの削減や化学肥料・農薬の使用低減、有機農業の拡大等に取り組む農業者や企業らを対象に、税制・金融上の支援措置等を実施し、設備投資などに必要な資金をサポートしていく法律のことである。

化学農薬から物理的防除資材への転換を推進


ACCセルロースナノファイバー(CNF)とは、 水中対向衝突法(ACC法)により、薬品を加えることなく、水の力を用いて木質繊維などを解きほぐすことで得られる微細繊維。水と結びつきやすい親水面と油と結びつきやすい疎水面を有し「両親媒性」の特徴を示す。

中越パルプ工業では紙の原料であるパルプ繊維を原料に、「nanoforest」という製品名で製造販売している。

ACCセルロースナノファイバー(CNF)

「nanoforest-S【アグリ】」は、CNFを用いた新しい農業資材で、さまざまな野菜・果実の栽培に使用できる。植物に散布することで本資材に含まれる微細繊維が葉面を覆い、病原菌の侵入を物理的に防ぐため、化学農薬の使用低減に寄与する。

CNFを利用した農業利用の取り組み

「nanoforest-S 【アグリ】」の2つの機能

CNFによるマスク効果

みどりの食料システム戦略では、2050年までに化学農薬の使用量をリスク換算で50%低減することを目標のひとつに掲げている。

両社は、今回の認定を通じ、農業現場への普及拡大を見据えた実証試験を進めるとともに、化学農薬から物理的防除資材への転換を推進し、殺菌剤市場(国内出荷額730億円)での販路を開拓するとしている。


中越パルプ工業株式会社
https://www.chuetsu-pulp.co.jp/
丸紅株式会社
https://www.marubeni.com/jp/
中越パルプと丸紅の基盤確立事業実施計画
https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/bio/attach/pdf/230908-1.pdf
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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