農林水産省は、日本の農林水産物・食品の海外での模倣品がジャパンブランドの毀損や輸出促進の阻害要因となることから、関係省庁と連携して模倣品に取り組む枠組みを新たに設けた。その第一弾として、タイ・バンコクの輸出支援プラットフォームの中に、疑義情報を受け付ける「農林水産物・食品海外模倣品疑義情報相談窓口」を設置した。

海外展開しているまたは海外展開を検討している事業者・団体等を対象に、情報提供や相談受け付けを実施していくと同時に、この取り組みを各輸出支援プラットフォームに拡大していく予定だ。

日本のブランド産品を保護

日本の農林水産物・食品は、海外で高く評価されている一方、模倣品（偽物）の流通が多く発見されている。これを受け、農林水産省では関係省庁と連携して、GI生産者団体の海外展開等を支援するなど海外における日本の農林水産物・食品の模倣品対策に取り組んでいる。

今回、タイにて設置された「農林水産物・食品海外模倣品疑義情報相談窓口」は、海外における日本の農林水産物・食品の模倣品に関する疑義情報や相談を一元的に受け付け、その後の対応をワンストップで行える体制を構築したもの。

相談窓口では、模倣品や疑義情報に困っている方や今後海外展開を検討している方に、大使館、領事館、JETRO関係部署が一体となり、

1. 商標権等に基づく警告状の送付や冒認商標に対する異議申立などの費用の補助を行う農林水産省・特許庁の事業の紹介
2. 海外のGI申請や商標出願を行う者に対して申請又は出願費用の補助を行う農林水産省・特許庁の事業の紹介
3. 知的財産権確立に向けた弁護士や弁理士等のアドバイスを希望する者に対するコンサルティングを支援する農林水産省事業の紹介
4. 寄せられた疑義情報や相談内容のうち産地偽装が疑われるケースなどは現地当局への情報提供や働きかけを行い、消費者保護や不正競争防止の観点からの対応を促す

などの対応を行う。

なお、疑義情報の対象範囲は、農林水産品・食品に貼られたラベルのほか、レストランのメニュー、WEB・新聞・雑誌・POP広告なども含まれる。

農林水産省は相談窓口の設置を通じ、日本のブランド産品の模倣品排除とブランド保護を推進していく構えだ。


タイ・バンコク「農林水産物・食品の海外での模倣品等対策相談窓口」
https://www.jetro.go.jp/agriportal/platform/th/ip.html