農家や指導者必読、持続可能な土づくりガイドの翻訳書『実践ガイド 生態学的土づくり』発売

日本生産者GAP協会は、2023年11月10日に書籍『実践ガイド 生態学的土づくり』を発売した。価格は5500円。

米国で進む不耕起、カバークロップなどの動きをとらえた、持続可能な土づくりのガイドブックで、科学的な根拠にもとづいて実践方法が学べるため、米国で農家・指導者・研究者向けの必読書とされている。

著者は、バーモント大学 植物土壌科学名誉教授のフレッド・マグドフ氏とコーネル大学 土壌科学教授のハロルド・ヴァン・エス氏。翻訳は、日本生産者GAP協会の常務理事で、SMART AGRIで「GAP」についての解説記事を執筆いただいた山田正美氏が担当している。


書籍概要


米国といえば大規模大型機械化農業が主流だが、風雨で表土が流される土壌流亡や干ばつ害が問題となっている。本書では、集中的耕起が一因であると考え、耕さず(あるいは耕しすぎず)、地表面を緑肥などで覆う土壌管理などについて、試験データと農家事例で解説。健全な土壌づくりの基礎知識から実践まで科学的かつわかりやすく説明している。

品質の良い作物を生産するために健全な土壌を確保することは、国や地域を超えた農業の基本。生産者はもとより新規就農希望者、新規就農者、農業高校・農業大学校・大学農学部の学生、教職員、普及指導員、営農指導員、地球環境に関心のある市民などにおすすめの書となっている。


『実践ガイド 生態学的土づくり』目次


はじめに

第1部 有機物-健全な土壌へのかなめ
第1章 健全な土壌
第2章 有機物とは何であり、なぜそれが重要なのか
第3章 土壌中の有機物含量
第4章 生きている土壌

第2部 土壌の物理的性質と養分の循環とフロー
第5章 土壌粒子と水、空気
第6章 土壌の劣化:浸食、圧縮、汚染
第7章 炭素と養分の循環とフロー

第3部 生態学的土壌管理
第8章 土壌の健全性、植物の健康と病害虫
第9章 良質な土壌のための管理:有機物管理を中心に(事例 ボブ・ムース ニュージャージー州グロースター郡)
第10章 カバークロップ(事例 ゲイブ・ブラウン ノースダコタ州、ビスマーク)
第11章 多様化する作付体系(事例 セリア・バース ジョージア州アーセンズ)
第12章 作物と家畜の統合(事例 ダレル・パークス カンザス州マンハッタン)
第13章 堆肥の製造と使用(事例 カム・タ ウエストバージニア州カーニーズビル)
第14章 流出と浸食の低減
第15章 圧縮への対応
第16章 耕起の最小化(事例 スティーブ・グロフ ペンシルバニア州ランカスター郡)
第17章 水の管理。灌漑と排水
第18章 養分管理:序章
第19章 窒素とリンの管理
第20章 その他の肥沃度に関する問題:養分、CEC、酸性度、アルカリ度
第21章 土壌と作物の分析を最大限に活用するために
第22章 都市農園、家庭菜園、緑地のための土壌(事例 シティスリッカーファーム カリフォルニア州オークランド)

第4部 まとめ
第23章 あなたの土壌はどれくらい健全ですか。土壌の健全性を圃場と実験室で評価する
第24章 すべてをまとめる


『実践ガイド 生態学的土づくり』書籍情報


著者:フレッド・マグドフ、ハロルド・ヴァン・エス
訳:山田正美
発売日:2023年11月10日
本体定価: 5500円(税込)
発行:一般社団法人日本生産者GAP協会
URL:https://fagap.or.jp/publication/sarebook.html

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WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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