国産バイオマスプラスチック普及拡大へ、バイオマスレジンとヤマガタデザインが連携協定

株式会社バイオマスレジンホールディングスとヤマガタデザイン株式会社は、国産バイオマスプラスチックの普及拡大に向けた包括連携協定を締結した。

地域活性化を進める両社が連携することで、農業課題の解決に向けた地域づくりを推進すると同時に脱炭素社会の実現を目指す。


2030年までにバイオマスプラスチックを200トン導入


バイオマスレジンホールディングスは、バイオマス資源を利用したプラスチック樹脂原料の製造・販売および研究開発を行う企業。2007年に古米や廃棄米などを用いた国産バイオマスプラスチック「ライスレジン®︎」の研究開発を開始し、現在は新潟県南魚沼市、熊本県水俣市、福島県浪江町の3つの地域に製造拠点を構えているほか、京都大学と共同開発したコメ由来の生分解性樹脂「ネオリザ®︎」を用いた農業資材の開発にも着手している。

行政との連携も深め、新潟県新潟市とは国産バイオマスプラスチックを活用した「ゼロカーボンシティ」の取り組みとして「ライスレジン」を使用した指定ごみ袋の提供を、北海道東川町とは将来の食用米需要減対策として環境保全・水田維持を目的とした国産バイオマスプラスチック用の資源米の栽培を進めている。

ヤマガタデザインは、農業、人材、教育、観光に関連する事業を通じて日本の地域課題の解決を目指す企業だ。

そのグループ企業であるヤマガタデザインアグリ株式会社は、生産者の所得向上に向け、省力・低環境負荷が特徴の栽培技術である「マイコス米」の栽培に必要な生産資材の開発・販売、ノウハウの提供を行い、産地化を推進してきた。

今回両社が締結した包括連携協定の内容は、バイオマスレジンホールディングスが開発した「ライスレジン」の原料用のお米をヤマガタデザインアグリが安定的に供給することで両社の事業成長を促進するとともに、生産者の生産効率を向上させ、販路確保までをサポートすることで農業経営の安定化につながる取り組みを可能にするもの。

具体的には、

  • 行政へのゼロカーボンシティ推進に対する国産バイオマスプラスチック活用の取り組み提案
  • バイオマスレジンホールディングスが製造する国産バイオマスプラスチックの原料となるコメをヤマガタデザインの生産者ネットワークから調達
  • コメ由来の生分解性樹脂である「ネオリザ」を用いた農業資材の開発と普及、販売促進

などを行う。

環境省、経済産業省、農林水産省、文部科学省が合同で策定した「2030年までにバイオマスプラスチックを約200万トン導入すること」という目標達成にも貢献していく。

今後は、ヤマガタデザインが運営するホテル「スイデンテラス」や教育施設「キッズドームソライ」とも連携し、国産バイオマスプラスチックの普及や環境教育活動、グリーンツーリズム等にも取り組んでいく予定とのこと。

ヤマガタデザインアグリ株式会社 代表取締役 山中大介氏のコメント


「この度、バイオマスレジン様と国産バイオマスプラスチックの普及拡大に向けて業務提携ができること、大変うれしく思います。当社グループは国内農業を世界のグリーン市場と結びつけるために、必要となる栽培技術の確立、ロボットや農業資材の開発など、多面的に取り組んで参りました。その技術や知見が、国産ライスレジン原料の栽培技術に応用できること、それにより国内農家に新しい稼ぎ方を提供できることに、非常に大きな責任と希望を持っております。ここから始まるバイオマスレジン様との新しい挑戦に、是非ご期待ください」

株式会社バイオマスレジンホールディングス 代表取締役CEO 神谷雄仁氏のコメント


「当社は日本を代表するお米を資源ととらえ魅力を再定義することで、より環境にも農業にも持続可能なビジネスの創出を目指しています。ヤマガタデザイングループ様は地域づくりを代表する企業として革新的で先進的な取り組みをされており、双方がパートナーシップを結ぶことで産官学民によるゼロカーボンシティを前進させる選択肢としてさらなる「国産バイオマスプラスチックの普及」が進むことに期待を寄せています」


株式会社バイオマスレジンホールディングス
https://www.biomass-resin.com/
ヤマガタデザイン株式会社
https://www.yamagata-design.com/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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