AGRI SMILEとJAフルーツ山梨、ぶどう残渣を活用したバイオスティミュラント開発と圃場検証を開始

株式会社AGRI SMILEとJAフルーツ山梨(フルーツ山梨農業協同組合)は、甲州ぶどうの残渣を活用したバイオスティミュラント資材の開発を行うと発表した。これに合わせて、バイオスティミュラントの有効性を見極めるための圃場検証も開始する。


地域の農業残渣を地域の農業に利用


AGRI SMILEは、「テクノロジーによって、産地とともに農業の未来をつくる」を経営理念に、化学肥料の低減栽培が可能な農業資材バイオスティミュラントの活用や、ECサイトを通じた産地ブランディングによる地域経済活性化に取り組む企業。農作物を利用した残渣型バイオスティミュラントの開発にも成功しており、業界唯一の特許技術を保有している。

JAフルーツ山梨は、東山梨地区の10の農協が合併し、2001年2月1日にフルーツ山梨農業協同組合(JAフルーツ山梨)として発足した。果樹生産が盛んな山梨の中でも一大産地とされ、山梨県の果樹生産量の4割以上を占めている。

ぶどうの生産量日本一として知られている山梨県では、年間約3000トンのぶどう残渣が発生しているという。これを畜産動物・養殖魚の配合飼料や飲料の原料として利用しているが、廃棄量が多く有効な利用方法の開発が喫緊の課題となっている。


今回の取り組みは、山梨県が実施する「TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」に採択されたもので、ぶどう残渣を活用したバイオスティミュラントの開発と商品化を目指していく。

具体的な実施内容は以下の通りだ。

ぶどう残渣によるバイオスティミュラント開発
・ぶどう残渣の加工処理方法を検討しバイオスティミュラント素材を探索。
・ AGRI SMILEが代表を務める「バイオスティミュラント活用による脱炭素地域づくり協議会」へのJAフルーツ山梨の参画と、バイオスティミュラント開発の推進課題の解決。

バイオスティミュラントの圃場検証
・産地で課題となっている「開花異常」の解決に向けた取り組み。
・開花異常サンプルの「分子生物学的解析・組織学的解析・土壌分析」等によるバイオスティミュラント機能の見極め。

産地ブランディング
・JAフルーツ山梨のECサイト(運営代行:AGRI SMILE)を活用して、バイオスティミュラントを利用した農作物の魅力を伝え、消費者訴求メッセージなどの調査や、消費者反応の定量化。


JAフルーツ山梨 代表理事組合長 西島 隆氏のコメント

「開花異常の損害規模が大きいため、原因を究明し被害を抑えたいと考えていました。バイオスティミュラント資材は、植物生理に作用して、収量・品質を改善する効果を持つと聞いており、被害発生の予防策として期待しています。また、残渣を活用したバイオスティミュラントは、地産地消の環境保全型農業として、地域へ普及しやすい形態です。地域の資材であれば農家組合員は利用しやすく、環境に優しい商品は消費者にも受け入れられやすいと考えています。一方で、農家組合員に対しては、資材の根拠が重要であり、消費者に対しては、認知拡大も必要です。今回の取組みを通して、バイオスティミュラント資材の作用機序・根拠を明らかにすることと、消費者に魅力的な付加価値を見つけ出すことなど、根拠と実績を積み上げて、果樹の大産地としての生産力向上を目指します」

AGRI SMILE代表取締役 中道 貴也氏のコメント

「当社が過去に実施した消費者アンケート調査では、新鮮さを求める声の次に、環境に優しい手法の農作物を購入したいというニーズが多数を占めることがわかりました。本取り組みでは、SDGsへの意識が高い消費者需要に応えられるよう、情報発信や産地ブランディングに取り組んでまいります。ぶどうは国内外にマーケットがあるため、ぶどう残渣を活用したバイオスティミュラントの広がりも期待しております。バイオスティミュラント資材は、同じ原料であっても加工方法により効果が異なるため、遺伝子発現解析などのバイオインフォマティクスを使用して、定量的データで、有効性や作用メカニズムを数値化する必要があり、当社の特許技術を用いて着実な開発と栽培課題の解消を目指します」

食品残渣を原料として開発されたバイオスティミュラント資材は、フードサプライチェーンの食品廃棄問題を解決しながら農業生産量の拡大や化学肥料の使用量低減に寄与できることから、脱炭素社会と環境保全型農業の実現が両立できる生産技術として期待されている。

AGRISMILEとJAフルーツ山梨は、今回の取り組みを通じて地域の農業残渣を地域で活用する循環型農業を実現するとともに、ECサイトを活用した産地ブランディングによって、高付加価値な農作物の需要増加と認知向上を目指していくとのこと。


株式会社AGRI SMILE
https://agri-smile.com/
「TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」
https://www.pref.yamanashi.jp/try_yamanashi/support.html
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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