キーワードは「スマート農業」「適正価格」「代行依頼」 ──スマホで作業代行を依頼できるサービス「アグリポン」がスタート

株式会社オプティムは、農業従事者向けのスマート農作業代行サービス共同購入サイト「アグリポン」の運営を開始する。

「アグリポン」は、地域内での農作業の申し込みを集約することで適正価格を実現するプラットフォーム。これにより、従来コスト面で利用が困難だった小規模農家でも農作業代行サービスを利用できるようになり、人手不足や高齢化による農業現場の課題解決に貢献するという(特許出願中)。


スマート農作業代行を地域や仲間と共同で購入


日本の農業は深刻な高齢化と後継者不足という課題があり、多くの農家が人手不足に悩み、特に高齢の生産者にとっては、日々の農作業が大きな負担となっている。

それらに加えて、食料自給率の低下も社会的な課題となっており、国内の農業生産を持続可能な形で維持していくことが急務となっている。

オプティムでは、このような課題の解決に向け、「ピンポイントタイム散布サービス」(PTS)をはじめとする「ドローン播種」や「ドローン施肥」など、さまざまなDXサービスを提供。防除組合やJAとの取り組みにより、共同農作業において大きな広がりを見せており、ドローン農薬散布サービスでは国内シェアNo.1(※2025年1月22日時点、オプティム調べ。散布面積におけるシェア)を獲得するなど、一定の成果を上げてきた。

それらの成功モデルを拡大することで、日本の農業が直面する課題を解消すべく始めたのが「アグリポン」というサービスだ。

「アグリポン」は、さまざまな農作業の代行サービスを適正価格で共同購入できるサイト。農業従事者が委託したい農作業を選んで希望単価とともに申し込み、周辺地域での申し込みにより希望単価での提供が可能になれば、正式に作業が発注される。

地域単位での作業をまとめて請け負う仕組みを構築することで作業効率を高め、コストを抑制。より幅広い農業従事者が適正価格でサービスを利用できるという仕組みだ。

「アグリポン」の特長


・希望単価で利用できる

申し込み数が多ければ多いほど単価が下がる仕組みにより、適正価格での農作業代行を実現。周辺の作業需要が少なく提供単価が高い場合は作業が発注されないため、安心して申し込むことができる。

・店舗での申し込みにも対応

Webに慣れていない生産者は、オプティムが提携する近くの代理店で申し込める。

提携代理店一覧
https://www.optim.co.jp/agriculture/services/agripon

・豊富で高品質な作業代行

豊富なメニューには危険を伴う作業や専門性のある作業も含まれており、作業は一定の基準を満たした人材が安全に遂行する。また、作業後は生産者のフィードバックをもとに指導を行い、品質向上を図っている。

・農作業代行サービスの改善

作業提供後も代理店が継続して栽培状況をヒアリングし、作業品質のフィードバックを収集。翌年の作業時期や圃場準備の計画に活かし、Webやメールでの通知を通じて最適な作業提案・改善を継続的に行っていく。

「アグリポン」での取り扱い予定サービス(一部)


・防除(柑橘、ネギなど)

・収穫(水稲)

・均平(水稲)


さらに「アグリポン」では、単なる農作業委託に留まらず、品目・品種・作型に合わせた防除、栽培管理手法のコンサルティング、農薬・肥料などの農業資材の情報なども農業従事者に提供するという。

利用の流れ

申し込み画面イメージ

申し込むサービスを選択し、申し込み面積と希望単価を入力して完了となる。



「アグリポン」開発責任者からのコメント

このサービスの展開により、生産者の手間や負担を大幅に改善し、農業が抱える課題を解決できる手だてとなることを確信しています。また地域農業生産をサポートしている農業関連企業・組織が地域内で、これまでになかった新しい農業サービスを立ち上げることが可能となります。従来は、このような農業サービス自体が存在していなかったため、課題に対し産地としての打ち手がありませんでした。サービサーであるオプティムと地域で農業を支えている農業関連企業・組織とがタッグを組んで、強い産地づくりを実現してまいります。

有田エリアにて「アグリポン」によりドローン防除サービスを先行活用


先行活用事例として、みかんの有数の産地である和歌山県有田エリアで、「アグリポン」により柑橘防除の需要を集約し、適正価格でドローン防除サービスを提供していることも発表された。

散布難易度が高い傾斜地の柑橘圃場に対し、高精度測位技術RTKによるドローンの自動操作で、安心安全・高品質の農作業を可能にしている。これにより、酷暑で過酷な散布作業となるみかん園地での課題を解決し、お客様からは高い継続意向もあるという。

今後の展開としては、すでに提供している農作業代行サービスに加え、サービスメニューのさらなる拡充を予定しているとのこと。また、従来の防除や収穫などのサービスにおいても、データに基づいたサービス設計を取り入れることで、農作業の一層の効率化を実現していくとしている。



「ピンポイントタイム散布サービス」とは

「ピンポイントタイム散布サービス」は、全国26府県133市町村、計2万6000haで導入されている国内初(※2025年1月22日時点、オプティム調べ)の、ドローンを活用した幅広い農作物に対する散布DXサービス。

「ピンポイントタイム散布サービス」
https://www.optim.co.jp/agriculture/services/pts
「アグリポン」公式サイト
https://agri-pon.optim.co.jp/
株式会社オプティム
https://www.optim.co.jp/

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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