株式会社未来図、完全自動航行ドローンでの農薬散布デモ飛行を和歌山県で実施

完全自動航行で農薬散布するドローン「XAIRCRAFT P20」のデモ飛行およびスマート農業の説明会が、株式会社未来図の主催で、2月20日(水)に開催される。

昨今、ドローンは測量や農薬散布、インフラ点検などの分野で利用が広がっており、新たな産業・サービスの創出や国民生活の利便や質の向上に資することが期待されている。水稲に対しての空中散布は、全国的に無人ヘリコプターからドローンによる散布も増えているが、和歌山県に関しては現在も空中散布の実績はほとんどない。

しかしながら、和歌山県ではみかん畑をはじめとする果樹の圃場が急斜面に位置しており、農業従事者も高齢化が進み、農薬散布作業が大変な重労働になるなかで、現場での機械化への要望が増しているという。

これまで和歌山県で空中散布が進まなかった理由は、
  1. 水稲の単位面積が全国に比較して小さいので、無人ヘリコプターでは効率が悪すぎたこと
  2. 和歌山県で主流のみかん等の果樹に空中散布するには、無人ヘリコプターでは技術的に大変困難であったこと
  3. そのため、空中散布用の薬剤の登録が少ないこと
といったものだった。

これらの課題を解決できる可能性として、未来図はRTK技術で数センチ単位で制御する完全自動航行のドローン「XAIRCRAFT P20」の取り扱いを開始。実績を積んで(3)の薬剤の登録が進めば、和歌山をはじめ全国の果樹農家への導入が進む可能性があるという。


今回は、未来図と業務提携したラボテック・インターナショナル株式会社のドローンフィールドで、XAIRCRAFT P20のデモ散布飛行と説明会を開催する。デモ飛行では、RTK技術を応用した圃場の測量と、クラウドに保存したデータを元に数センチ単位で制御された自動航行での散布の様子を見学できる。

未来図は今後、和歌山県果樹試験場と一緒に、このドローンによる試験も進めていくとしており、水稲はもちろん、いままでマニュアル操縦では難しかったみかん・桃・柿・梅などの果樹に対しても自動散布が可能になると期待を寄せている。

申し込み、お問い合わせは下記まで。

■日時:2019年2月20日(水)14:00~16:00 受付 13:30~
■実施場所:ラボテック・インターナショナル ドローンフィールド
■住所 : 和歌山市梅原597-4 紀州ラボ内
■実施概要:
  1. 測量技術RTK(リアルタイムキネマテイクス)を利用した圃場の測量
  2. クラウド上の測量データをダウンロードして完全自動航行でのドローン空中散布
  3. スマート農業の展望の説明と質疑応答

<参考URL>
株式会社未来図
XAIRCRAFT
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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