ドローンによる圃場データの可視化・分析ツール「DJI TERRA」登場

DJIは、ドローン空撮データをデジタル3Dモデルや地図に変換し、分析と意思決定を容易に実現する新しいソフトウェアツール「DJI Terra」を発表した。「DJI Terra」は全国のDJI Enterprise正規代理店を通じて3月29日より購入可能。Windowsパソコンと現行のDJI Phantom 4シリーズのドローンすべてと互換性がある。DJIのドローン技術を活用する企業や組織は、公共の安全、建設、インフラ、農業や映画産業といった各業界で、「DJI Terra」を活用し、空撮写真の収集、可視化、分析できるという。


「DJI Terra」では、ミッションの目的を定義して希望する飛行プランを計画し、ボタンを数回タップするだけで自動でドローンが2D/3Dデータを取得。そのデータを元に圃場や周囲の環境などを描写し、樹木や対象物などを分類。農業における具体的なデータの活用法としては、自動作物防除や、生育状況の把握、圃場の状況分析、障害物のある環境下での農薬散布などの用途で、さまざまなサービスと連携して活用するといった用途が考えられそうだ。


「DJIは産業用ドローンのリーダーとして、企業がドローン技術で業務を変革し、競争優位性を獲得できるよう、導入しやすく使いやすいハードウェアとソフトウェアソリューションの開発を続けています。『DJI Terra』は、マッピングおよびモデリングのオールインワンソリューションとして、ドローンデータの価値をシンプルかつ効率的に抽出します。事故現場の再現から重要インフラの点検、農業分野でのマッピングや建設現場でのモデリングなど、幅広い分野で意思決定や提案を行うことができます」と、DJIエンタープライズ部門ディレクターSunny Liaoは述べている。

自動飛行計画とデータ収集

「DJI Terra」は、産業用ドローンパイロットが撮影したいエリアや対象物、作成したい地図や3Dモデルの種類に基づき、使いやすい複数のオプションを使用して、自動飛行を迅速に計画するのに役立つ。飛行計画には、3種のミッション計画が用意されている。


エリア(Area Mission Planning)
多角形の飛行エリアを地図上に描くことにより、特定のエリアを素早く簡単に撮影。選択されたエリアを基に効率的な飛行経路オプションを自動的に作成してくれる。

ウェイポイント(Waypoint Mission Planning)
ウェイポイント、機体の高度/速度/向き/ジンバルピッチ/角度などの調整可能なパラメーターを使用し、エリア内または対象物周辺の動的なカスタム飛行経路を作成。細心の注意が必要な複雑なミッションでは、3D飛行可視化機能を使用して、既存の3Dモデル上にミッションを設計し、シミュレーションすることが可能。

オブリーク(斜め撮影)(Oblique Mission Planning)
同じルートを複数回自動で飛行することにより、豊富なデータセットを収集。各飛行でカメラの角度を自動調整し、さらに新しい詳細情報を撮影することで、様々な角度からの対象物やアセットの鮮明な3Dモデルが得られる。リアルタイムマッピングと緻密な3Dモデルが取得できる。

リアルタイムマッピングと緻密な3Dモデル

リアルタイムマッピング機能により、ドローンパイロットは「DJI Terra」で素早く2Dオルソモザイクマップをドローンファイルとして生成できる。状況認識が重要であり、一刻を争うミッションや、数分で意思決定が必要とされる現場に最適。

「DJI Terra」の高速処理機能は、車両事故の再現や建築プロジェクトの進捗状況追跡、橋梁や道路などの大規模な重要インフラの点検調査の実施など、産業用途に用いられる詳細な2Dオルソモザイクと3Dモデル再構築で、鮮明でリアルな描写をあらゆる環境下で実現する。


使いやすいデータ分析

地図やモデルの作成に加え、「DJI Terra」は、直線距離や表面積、体積推定など様々な測定値を提供する使いやすい分析ツールを用意し、ユーザーがデータを分析し、すぐに洞察を生み出すことができるようサポート。進行中のプロジェクト全体で、チームのコミュニケーションと報告業務を改善するために、注記ラベルを編集して共有も可能となる。

現場での詳細な点検調査や事故の再現業務に、「DJI Terra」の写真検査ツールを使用すると、モデル作成に使用したすべての写真を詳細に検査できるため、 重要な要素を特定し、強調表示できる。

<参考URL>
DJI Terra
DJI Phantom シリーズ

SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
パックごはん定期便