DJIとシンジェンタ、農業ドローンと農薬の安心・安全に向けて協力

DJI JAPAN株式会社とシンジェンタジャパン株式会社は、日本の農業の持続的な発展に両社で貢献していくことを念頭に、業務提携をスタートさせる。

写真左:シンジェンタジャパン株式会社 代表取締役社長 的場稔氏、右:DJI JAPAN 株式会社 代表取締役 呉韜氏

少子高齢化による人手不足や新規就農者の獲得など深刻な労働力不足に直面している日本の農業。この課題を解決するために、政府の規制改革推進会議はドローンを活用した農薬散布の規制を緩和し、また、農林水産省はドローン散布に使用できる農薬の範囲拡大などを進めている。

農業分野におけるドローンの普及が加速する一方で、さらなるドローンの安全な運用が求められており、両社は「農業ドローンと農薬の安心・安全」実現に向け、1)農業ドローンによる安全な薬剤散布技術と教育カリキュラムの確立、2)散布実証試験の共同実施、3)共同プロモーション活動の実施、4)市場の開拓と新規ビジネスモデルの構築、5)スマート農業への共同技術開発、以上の5点で連携することを合意した。

シンジェンタは、数百万の生産者が限りある資源を有効利用できるよう支援することにより、ワールドクラスの科学と革新的クロップソリューションを通じて、世界90カ国以上で2万8000人超の社員が作物生産の変革に取り組んでおり、劣化した土地の回復、生物多様性の促進、および農村地域社会の活性化にコミットしているという。

民生用ドローンと空撮技術で世界をリードするDJIは、リモート操縦できるマルチコプターの実現に情熱を注ぐスタッフにより創業、運営、飛行制御技術と手ぶれ補正のエキスパートで、プロ、アマチュアユーザーのために、革新的なドローンとカメラ技術を開発、製造している。現在は北米、ヨーロッパ、アジアに拠点を構え、世界100カ国を超えるユーザーが、映画制作、建設業界、災害対策や人命救助、農業、管理保全など多くの産業分野においてDJIの製品を愛用している。

シンジェンタジャパンの代表取締役社長 的場稔(まとば・みのる)氏は、「DJI JAPANの高性能な農業ドローンは、農業分野のみならずゴルフ場等の非食用作物分野においても幅広い活用が期待されている。この連携によって、安全・安心かつ効果的なドローンの散布技術の確立を目指すと共に、リモートセンシングなどスマート農業分野にも積極的に取り組んでいきたい」と述べている。

DJI JAPAN 代表取締役の呉韜(ご・とう)氏は、「農業ドローンにおいて、最も優先すべきことは安心・安全。DJIは、2017年3月より農業ドローンの販売を日本で開始し、積極的に整備工場や教育施設などの整備を進めてきた。農薬を使う散布では、農薬メーカーとの協力は不可欠。農薬業界最大手のシンジェンタとDJIのノウハウをいかし、日本、そして世界に安心・安全、そして持続可能な農業ドローンソリューションを提供していきたい」と述べている。

<参考URL>
シンジェンタジャパン株式会社
DJI JAPAN 株式会社
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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