笑農和、スマート水田管理デバイス「paditch」に水門管理機能を追加

富山県で農業コンサル事業を行っている株式会社笑農和が、米農家が一番負担に感じる作業である水管理を自動化するスマート水田サービス「paditch」を開発しているが、インキュベイトファンドからの出資を受けて、水門管理機能を追加する。



高齢化に伴う離農・担い手不足・耕作放棄地の増加・異常気象に代表されるように、農業は課題が山積みと大変な時期に差しかかってる。笑農和はこれらの課題を解決するためにITIoT・AI・ロボット等のテクノロジーを活用し、富山発の次世代農業(スマート水田)を築きあげていく、アグリテックベンチャーだ。スマート農業を普及するとともに、若い世代の人が農業を職業として選択する未来の創造に挑んでいる。

笑農和が開発する「paditch」は、米農家が一番負担に感じている作業である水管理を自動化するスマート水田サービス。水位・水温センサーだけでなく、水門の遠隔操作にも対応することによって、水管理コストの大幅な軽減に加えて、水管理の地域最適化にも取り組んでいる。現在は、田植え後の水管理を遠隔から行うことができ、水位や時間などでの開閉指示も設定可能な水位調整サービスのみ提供している。

開発を進めるにあたり、今回、創業期に特化した独立系ベンチャーキャピタル「インキュベイトファンド」より資金調達を実施。これにより、従来のサービス「paditch gate02(ゲートゼロニー)」から 「gate02+(ゲートゼロニープラス)」へ機能追加を実施する。またこれに伴い、開発およびカスタマーサポート体制強化のため、事務所を移転し人材採用を積極的に進めていくという。

笑農和代表取締役 下村豪徳氏

笑農和の代表取締役、下村豪徳氏は、「私は農家の長男に生まれ、農業とは無縁のIT業界に就職しました。IT業界ではプログラム、システムエンジニア、ソリューション営業、マネージメントなど開発の現場から営業・管理の現場まで一通り経験し、主に組立加工業向けの生産管理、販売管理、購買管理を中心とした業務に従事しました。ある時期を境に実家の農業の売上が下降し、原因を追究する中で農業業界そのものの仕組みのありかたに疑問を感じるとともに、製造業で培ったITの技術が役に立つのではと起業いたしました。弊社はスマート農業を普及させることで、若い世代の人が農業を職業として選択する未来をつくります」とコメントしている。

インキュベイトファンド代表パートナー 和田圭祐氏

インキュベイトファンドの代表パートナー、和田圭祐氏は、「インキュベイトファンドは、創業期のスタートアップ支援に特化した独立系ベンチャーキャピタルです。シードスタートアップへの投資において国内最大規模(累計300社以上)の実績を有し、運用総額340億円のファンドを運用しています。インキュベイトファンドが主催するIncubate Camp11thへの出場をきっかけに投資させていただきました。

日本の農業における生産人口減少と高齢化は深刻な課題で、1農家当たりの耕地面積の増大は避けられない状況の中で、笑農和社の事業は、日本の農業の生産性を改善し得る社会的意義の大きな事業になると考えており、成長支援に取り組んでまいります」と語っている。

<参考URL>
株式会社笑農和
スマート水田サービス「paditch」
インキュベイトファンド株式会社
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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