農研機構、Microsoft Excelで使える「6次産業化シミュレーター」を公開

農研機構は、Microsoft Excel上で動作する「6次産業化シミュレーター」(通称:LASTS(ラスツ))を公開している。動作OSはWindows、MacOS、Android 4.4 以上、iOS 11.0以上で、いずれもMicrosoft Excelが必要。

※写真はイメージ

「LASTS」は、6次産業化での新商品開発の取り組みの経済的評価・売上予測・課題の解決策の提示を目的に開発されたExcelで動くシミュレーター。6次産業化に関わる生産者・加工業者・販売業者をはじめとするステークホルダー、行政や普及機関の担当者、研究者、コーディネーター向けに作成された。

「LASTS」では、6次産業化の取り組みの中核となる農業に、加工などの二次産業・販売などの三次産業から付加価値が加わるというモデルを作成し、全く新しい評価手法を開発。6次産業化によって農産物に与えられる付加価値を数値化し、相乗効果を踏まえた売上シミュレーションを行う。

具体的な利用は、データ入力欄に必要なデータを入力するだけ。プレミアムという指標を用いて、連携相手/部門が農業(農産物)に対してどのくらいの付加価値を与えているか、数値化して評価することができるほか、プレミアムを元に算出された総合利得を用いて売上シミュレーションを行い、売上予測値として6次産業化の相乗効果を加味して計算する。

これにより、6次産業化の問題点の把握と解決策の解明、6次産業化の計画段階やコンソーシアム形成時における経済効果の数値化・売上試算、新品種・ブランド農産物・機能性のある農産物を使った場合と、一般的な農産物を使った場合の比較といった、利用者の状況やニーズに応じたさまざまなシミュレーションが行えるという。

「LASTS」の利用を希望する方は、下記URLの資料からお問い合わせを。希望者には「LASTS利用マニュアル」も配布している。

<参考URL>
6次産業化シミュレーター「LASTS」(PDF)
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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