【2026年5月下期 農業ニュースPICK UP】病害虫、防除、生育、米相場まで、6月前に見落とせない最新動向まとめ
5月下旬は、病害虫の警戒対象が広がり、野菜では生育の前進や回復によって出荷と作業の山が重なりやすい時期です。加えて、夏場に向けた農薬散布の安全管理や、環境対応・新技術導入に関する制度面の動きも見逃せません。
今回は、農林水産省の公表資料から、5月下期の現場判断に関わりやすい情報を5つのテーマでピックアップしました。
(1)病害虫情報:先を見越した「適期防除」の時期

5月13日に公表された「令和8年度病害虫発生予報第2号」の予報では、果樹カメムシ類の発生が北陸、近畿、中国、四国、北九州の一部地域で多くなると予想されたほか、水稲ではイネミズゾウムシ、麦では赤かび病、野菜・花きではトマトのコナジラミ類やいちごのハダニ類、果樹ではなしの黒星病などについても多発の可能性が示されています。
農水省は、地域によって多くなる病害虫があるため、都道府県ごとの発生予察情報を参考に適期防除を実施するよう呼びかけています。特に、5月下旬は発生初期を逃すと防除負担が一気に重くなりやすいため、作物別・地域別の予察情報を早めに確認し、迅速な対応を徹底したい時期です。

農水省は、4月28日公表の「令和8年度 農薬危害防止運動」において、農薬を使用する機会が増える6月から8月にかけて、厚生労働省や環境省などと共同で事故・被害防止の運動を実施するとしています。
2026年度のテーマは「使用前、周囲よく見て ラベル見て」。農薬ラベル表示の遵守と、周辺環境への飛散防止の徹底は、自分だけでなく地域内での適切な農薬使用のためにあらためて確認しておきたい基本事項です。
5月下旬は、梅雨入り前後の天候変化とともに、防除や除草、定植後管理などの屋外作業が増え始める時期です。その意味でこの発表は、単なる啓発ではなく、夏場の高負荷シーズンに入る前の準備信号として受け止めておきたいところです。
特に、農薬に伴う事故を防ぐために、ラベルの確認はもちろんのこと、土壌くん蒸剤等を使用する際の注意、住宅地等での農薬使用時の周辺への配慮・飛散防止は必須です。また、農薬の危険性をしっかり認識し、誤飲・誤食、盗難等防止に向けた適切な保管・管理についても言及されています。

4月28日に公表された「野菜の生育状況及び価格見通し(令和8年5月)」によれば、5月について、ばれいしょ、たまねぎ等の価格は平年を上回る一方、はくさい、レタス等の価格は平年を下回る見込みとしています。背景には、品目ごとの生育回復や前進、前年夏の高温・干ばつ影響の残り方の違いがあります。
個別に見ると、はくさいは2月下旬以降の降雨と気温上昇により生育が順調に進み、5月中下旬まで安定出荷、価格は平年を下回る見込みです。キャベツも、1月の少雨と低温で遅れ傾向にあったものの、足元では出荷数量が回復傾向にあり、5月は出荷数量がやや平年を上回り、価格は平年を下回る見込みです。レタスは茨城県産が気温上昇で生育前進となり、長野県産・群馬県産への切り替わりも平年より早まるため、5月の出荷数量はやや平年を上回り、価格は平年を下回る見込みとされています。
一方で、ばれいしょは鹿児島県産が冬季の降雪の影響で生育遅れとなっており、5月前半の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回る見込みです。たまねぎも、北海道産で前年夏の高温・干ばつの影響が残っており、5月前半の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回る見通しです。
逆に、ねぎは適度な降雨と気温上昇で生育が順調に進み、5月の出荷数量はやや平年を上回り、価格は平年を下回る見込みとされています。
5月下旬は、一気に出荷が進む品目と、遅れや数量不足を引きずる品目が混在しています。前進傾向の品目では、収穫、選果、出荷調整、防除のタイミングが前倒しになりやすく、逆に遅れた品目では限られた数量をどう回すかという判断が必要になります。

4月30日公表の「令和8年3月の米穀流通の動向」では、3月末時点の民間在庫が277万玄米トン、前年同月差で97万玄米トン増、集荷数量は266.1万玄米トンで前年同月差41.1万玄米トン増とされており、米の需給動向と販売環境の数字も並行して確認しておきたい局面です。
「長期的な主食用米の価格の動向」によれば、令和5年産が1万5315円、令和6年産が2万5179円、令和7年産はさらに3万6031円と、ここ30数年の最高値を2年連続で更新しています。
相対取引価格自体は緩やかに下降していますが、それでもまだまだ高値です。農家にとっては、資材価格の上昇分をしっかり吸収した上で利益を確保することが引き続き重要なテーマといえそうです。
4月28日に、「みどりの食料システム戦略」技術カタログのVer.6.0が公表され、現在普及可能な技術23件と、みどりの食料システム法の認定を受けた基盤確立事業16件が追加され、掲載技術数は合計478件になりました。掲載内容には、技術の概要だけでなく、導入効果、留意点、価格帯、適応地域、問い合わせ先なども含まれています。
また、5月13日には、「食料システム法計画認定制度」にて認定を受けた事業活動のPRや販売活動に使える認定マークが新たに作成されました。
出典:食料システム法計画認定制度|農林水産省
(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/keikaku/gaiyou.html)
この制度は、食品等事業者による安定取引関係確立、流通合理化、環境負荷低減、消費者選択支援という4つの事業活動を農林水産大臣が認定する仕組みです。生産現場にとっては直接導入するような情報ではないものの、今後の農産物の流通や環境対応、取引関係の整備などで、政策的に後押しされる方向性がより見えやすくなったといえます。
5月下旬は目の前の繁忙対応が優先になりがちですが、中長期的な視点で「環境対応技術をどう取り入れるか」、「誰と組んで流通や販売を安定させるか」を考える良いきっかけになります。夏以降の検討材料としてチェックしておきましょう。
5月下旬に向けては、病害虫の発生予察を見ながら防除の初動を早めること、農薬使用が増える時期を前に安全管理を徹底すること、野菜の生育前進と遅れが混在するなかで圃場ごとの作業優先順位を見直すこと、そして中長期ではみどり戦略や食料システム法など制度面の変化も押さえておくことがポイントです。
また、情報をインプットするだけで終わらせず、日々の巡回、防除、収穫、出荷、人員配置まで落とし込めるかが、6月以降の安定運営につながります。
これから気温の上昇も意識される時期に入るため、体調管理にも気を配りながら、本格化する農作業に備えていきましょう。
参照記事
「令和8年度病害虫発生予報第2号」の発表について
「令和8年度 農薬危害防止運動」の実施について
野菜の生育状況及び価格見通し(令和8年5月)について
令和8年3月の米穀流通の動向(集荷、販売、民間在庫)
米に関するマンスリーレポート(令和8年4月号)の公表について
みどりの食料システム戦略の実現に貢献する技術を紹介!
食料システム法計画認定制度の認定マークを作成
今回は、農林水産省の公表資料から、5月下期の現場判断に関わりやすい情報を5つのテーマでピックアップしました。
参照期間:2026年4月下旬〜2026年5月中旬公表分
参照元:農林水産省 報道発表資料
参照アーカイブ:https://www.maff.go.jp/j/press/arc/2604.html
5月分一覧:https://www.maff.go.jp/j/press/
参照元:農林水産省 報道発表資料
参照アーカイブ:https://www.maff.go.jp/j/press/arc/2604.html
5月分一覧:https://www.maff.go.jp/j/press/
(1)病害虫情報:先を見越した「適期防除」の時期

5月13日に公表された「令和8年度病害虫発生予報第2号」の予報では、果樹カメムシ類の発生が北陸、近畿、中国、四国、北九州の一部地域で多くなると予想されたほか、水稲ではイネミズゾウムシ、麦では赤かび病、野菜・花きではトマトのコナジラミ類やいちごのハダニ類、果樹ではなしの黒星病などについても多発の可能性が示されています。
農水省は、地域によって多くなる病害虫があるため、都道府県ごとの発生予察情報を参考に適期防除を実施するよう呼びかけています。特に、5月下旬は発生初期を逃すと防除負担が一気に重くなりやすいため、作物別・地域別の予察情報を早めに確認し、迅速な対応を徹底したい時期です。
(2)防除関連:農薬の危険性を再認識する「農薬危害防止運動」が8月まで実施中

農水省は、4月28日公表の「令和8年度 農薬危害防止運動」において、農薬を使用する機会が増える6月から8月にかけて、厚生労働省や環境省などと共同で事故・被害防止の運動を実施するとしています。
2026年度のテーマは「使用前、周囲よく見て ラベル見て」。農薬ラベル表示の遵守と、周辺環境への飛散防止の徹底は、自分だけでなく地域内での適切な農薬使用のためにあらためて確認しておきたい基本事項です。
5月下旬は、梅雨入り前後の天候変化とともに、防除や除草、定植後管理などの屋外作業が増え始める時期です。その意味でこの発表は、単なる啓発ではなく、夏場の高負荷シーズンに入る前の準備信号として受け止めておきたいところです。
特に、農薬に伴う事故を防ぐために、ラベルの確認はもちろんのこと、土壌くん蒸剤等を使用する際の注意、住宅地等での農薬使用時の周辺への配慮・飛散防止は必須です。また、農薬の危険性をしっかり認識し、誤飲・誤食、盗難等防止に向けた適切な保管・管理についても言及されています。
(3)栽培関連:生育の前進・遅れが混在、適期作業の見極めどき

4月28日に公表された「野菜の生育状況及び価格見通し(令和8年5月)」によれば、5月について、ばれいしょ、たまねぎ等の価格は平年を上回る一方、はくさい、レタス等の価格は平年を下回る見込みとしています。背景には、品目ごとの生育回復や前進、前年夏の高温・干ばつ影響の残り方の違いがあります。
個別に見ると、はくさいは2月下旬以降の降雨と気温上昇により生育が順調に進み、5月中下旬まで安定出荷、価格は平年を下回る見込みです。キャベツも、1月の少雨と低温で遅れ傾向にあったものの、足元では出荷数量が回復傾向にあり、5月は出荷数量がやや平年を上回り、価格は平年を下回る見込みです。レタスは茨城県産が気温上昇で生育前進となり、長野県産・群馬県産への切り替わりも平年より早まるため、5月の出荷数量はやや平年を上回り、価格は平年を下回る見込みとされています。
一方で、ばれいしょは鹿児島県産が冬季の降雪の影響で生育遅れとなっており、5月前半の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回る見込みです。たまねぎも、北海道産で前年夏の高温・干ばつの影響が残っており、5月前半の出荷数量はやや平年を下回り、価格はやや平年を上回る見通しです。
逆に、ねぎは適度な降雨と気温上昇で生育が順調に進み、5月の出荷数量はやや平年を上回り、価格は平年を下回る見込みとされています。
5月下旬は、一気に出荷が進む品目と、遅れや数量不足を引きずる品目が混在しています。前進傾向の品目では、収穫、選果、出荷調整、防除のタイミングが前倒しになりやすく、逆に遅れた品目では限られた数量をどう回すかという判断が必要になります。
(4)米の流通・相場動向:高値圏のなかで需給をどう見るか

4月30日公表の「令和8年3月の米穀流通の動向」では、3月末時点の民間在庫が277万玄米トン、前年同月差で97万玄米トン増、集荷数量は266.1万玄米トンで前年同月差41.1万玄米トン増とされており、米の需給動向と販売環境の数字も並行して確認しておきたい局面です。
「長期的な主食用米の価格の動向」によれば、令和5年産が1万5315円、令和6年産が2万5179円、令和7年産はさらに3万6031円と、ここ30数年の最高値を2年連続で更新しています。
相対取引価格自体は緩やかに下降していますが、それでもまだまだ高値です。農家にとっては、資材価格の上昇分をしっかり吸収した上で利益を確保することが引き続き重要なテーマといえそうです。
(5)農政・制度関連:環境対応と流通の変化を中長期視点で確認
4月28日に、「みどりの食料システム戦略」技術カタログのVer.6.0が公表され、現在普及可能な技術23件と、みどりの食料システム法の認定を受けた基盤確立事業16件が追加され、掲載技術数は合計478件になりました。掲載内容には、技術の概要だけでなく、導入効果、留意点、価格帯、適応地域、問い合わせ先なども含まれています。
また、5月13日には、「食料システム法計画認定制度」にて認定を受けた事業活動のPRや販売活動に使える認定マークが新たに作成されました。
出典:食料システム法計画認定制度|農林水産省(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/keikaku/gaiyou.html)
この制度は、食品等事業者による安定取引関係確立、流通合理化、環境負荷低減、消費者選択支援という4つの事業活動を農林水産大臣が認定する仕組みです。生産現場にとっては直接導入するような情報ではないものの、今後の農産物の流通や環境対応、取引関係の整備などで、政策的に後押しされる方向性がより見えやすくなったといえます。
5月下旬は目の前の繁忙対応が優先になりがちですが、中長期的な視点で「環境対応技術をどう取り入れるか」、「誰と組んで流通や販売を安定させるか」を考える良いきっかけになります。夏以降の検討材料としてチェックしておきましょう。
6月の繁忙前に、現場でやるべきことを整理しよう
5月下旬に向けては、病害虫の発生予察を見ながら防除の初動を早めること、農薬使用が増える時期を前に安全管理を徹底すること、野菜の生育前進と遅れが混在するなかで圃場ごとの作業優先順位を見直すこと、そして中長期ではみどり戦略や食料システム法など制度面の変化も押さえておくことがポイントです。
また、情報をインプットするだけで終わらせず、日々の巡回、防除、収穫、出荷、人員配置まで落とし込めるかが、6月以降の安定運営につながります。
これから気温の上昇も意識される時期に入るため、体調管理にも気を配りながら、本格化する農作業に備えていきましょう。
参照記事
「令和8年度病害虫発生予報第2号」の発表について
「令和8年度 農薬危害防止運動」の実施について
野菜の生育状況及び価格見通し(令和8年5月)について
令和8年3月の米穀流通の動向(集荷、販売、民間在庫)
米に関するマンスリーレポート(令和8年4月号)の公表について
みどりの食料システム戦略の実現に貢献する技術を紹介!
食料システム法計画認定制度の認定マークを作成
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