農政・行政

【統計データ】「2022年農林水産物輸出・食品輸出実績」が過去最高の1兆4148億円に円安とコロナ回復が追い風

農産物輸出

2023.2.8 SMART AGRI編集部

農林水産省は、「2022年の農林水産物・食品の輸出実績」を公表した。輸出額については過去最高の1兆4148億円で、2021年比で14.3%増、金額については1766億円の増加となった。2022年12月単月の輸出額でも、過去最高の1308億円となっている。

農産物が1割増加輸出先は中国が1位に

農産物、林産物、水産物及び少額貨物それぞれの実績を見ると、農産物が8870億円で対前年比10.3%増加、林産物は638億円で対前年比11.9%増、水産物は3873億円で対前年比28.5%増、少額貨物は767億円で対前年比1.5%増と、軒並みプラスに転じた。

出典：農林水産物・食品輸出額の推移（https://www.maff.go.jp/j/press/yusyutu_kokusai/kikaku/attach/pdf/230203-1.pdf）

農水省では要因として、多くの国・地域で外食産業が新型コロナウイルスによる落ち込みから回復したこと、それに伴う小売店向けやEC販売などの販路への販売が堅調だったこと、さらに円安により海外市場での日本産農産物の価格が追い風となったことを挙げている。

品目別の輸出額を見ると、水産物は中国や米国で、アルコール飲料は中国で、青果物は香港や台湾で、牛乳・乳製品はベトナムでの伸びが大きかった。

また輸出先は、1位が中国、2位が香港、3位が米国。2022年上半期に香港で、下半期に欧米でコロナによる外食規制やインフレの影響も受けたとしている。

農産物の中でも特に穀類や野菜・果実等に目を向けると、米が前年比24.4増の73億8200万円、青果物はかき、なし、いちご、りんご、ももなどの増加率が15〜50％増と大きく拡大し、かんしょやながいもなどの野菜も10〜15％ほどの伸びを見せた。