炊飯器でごはんが炊けたら「蒸らす」「すぐほぐす」どちらが正解?
管理栄養士の大槻万須美です。
炊飯の工程で欠かせない「蒸らし」。
ごはんの炊き上がりが待ち遠しい場合には、省略したい時間でもありますが、炊飯器でごはんを炊いたあとの蒸らし、必要でしょうか?
また逆に、蒸らし作業について、良かれと思って必要ないことまでやってしまっていませんか? その作業、実はごはんのおいしさを妨げていたかも!?
炊飯器での蒸らしについて、知っているのと知らないのとではおいしさに雲泥の差をもたらす情報をお伝えします。
炊飯の工程のひとつに「蒸らし」があります。
加熱が終わった後、10~15分間ふたをとらずにそのまま放置しておくだけなので、場合によっては、待ちきれない、省略してしまいたい時間かもしれません。もちろん、加熱工程が終わっていれば、少し芯が残っていることもありますが、蒸らしをしなくても食べることはできます。
ただ、蒸らしをするのとしないのとではやはりおいしさに違いが出てしまいます。ふっくらとつややかなおいしいごはんに仕上げるには、蒸らしの工程ははずせません。
蒸らしは、お米に吸いこんだ水分量を調整するとともに、余熱を使って芯まで熱の伝わったふっくらとしたごはんに炊き上げる仕上げの時間なのです。
蒸らしをしていないごはんは、水分を吸うだけ吸ってふやけていたり、芯の残った状態であったりすることが多いです。蒸らしをせずにふたをあけてしまうと、充満していた蒸気が逃げてお釜の中の温度も下がってしまい、べちゃっとしたふっくら感の少ないごはんになってしまいます。
蒸らしをすることで表面のつやや粘りも生まれます。でんぷんの消化吸収がしやすくなる効果もあるといわれています。
炊飯の工程では必要不可欠な蒸らし時間ですが、今までずっと蒸らし時間をとったことなかったけど、おいしく炊けていたようだ、と思いませんか。
実は、最近の炊飯器は蒸らし時間も含めて炊き上がりまで綿密にプログラムされているものがほとんど。スイッチを入れてから炊き上がりを知らせる音が鳴るまでに、最適な状態で蒸らしまで終了しています。
そのため、炊き上がったらすぐにおいしく食べられる状態になっているんですよ。
逆に、炊き上がってからさらに10~15分の蒸らし時間をとっていたとすると、それは蒸らしすぎにつながり、おいしさをどんどん失う行為だったかもしれません。
炊飯器の場合は蒸らしまで炊飯器にお任せですが、大切なのはここから。
炊き上がったあと、しばらくふたをあけないでいると、お釜の中は水蒸気で満ちており、高温状態を保っています。
そのため、このままの状態でおいておくと蒸らしすぎになり、ふっくらとつやつやしていたごはんが次第にかたく重くしまったようになっていきます。底の方のごはん粒はつぶれ、水滴になった水蒸気が一部のごはん粒について、ふやけることもあります。
蒸らしすぎを防ぐには、炊き上がったらすぐに「ほぐし」を行うようにすることが大切です。
ほぐし作業は、ふたをあけて余分な蒸気を逃すように、底の方から大きくやさしくごはんを返しながら、切るようにほぐします。
炊き上がりのムラをなくして均一にすることで部分的なべたつきや乾燥なども防ぐことができ、粒立ちのよい、ふんわりふっくらとした仕上がりになりますよ。
また、茶懐石ならではのごはんの楽しみ方に、蒸らしの違いで3回ごはんを味わうというものがあるそうです。炊き立て、10分前後蒸らしたもの、20分前後しっかり蒸らしたものを順番に、味の変化を楽しむとのこと。蒸らし時間の違いで、ごはんのおいしさが変わるということがよくわかりますね。
ごはんの炊き上がりのおいしさを左右する「蒸らし」と「ほぐし」。タイミングもぜひ意識してみてくださいね。
農林水産省「お米のおいしい食べ方」
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2011/spe1_04.html
農林水産省「お米のおいしさがアップする炊き方と保存法」
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/wagohan/articles/2111/spe3_01.html
農林水産省「おうちで茶懐石!大切なのはお客様を思う心」
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/wagohan/articles/spe8/spe10_01.html
日立「浸し・蒸らしは必要ない?おいしく炊く基本とコツ」
https://kadenfan.hitachi.co.jp/my/mail/step_03_kitchen.html
炊飯の工程で欠かせない「蒸らし」。
ごはんの炊き上がりが待ち遠しい場合には、省略したい時間でもありますが、炊飯器でごはんを炊いたあとの蒸らし、必要でしょうか?
また逆に、蒸らし作業について、良かれと思って必要ないことまでやってしまっていませんか? その作業、実はごはんのおいしさを妨げていたかも!?
炊飯器での蒸らしについて、知っているのと知らないのとではおいしさに雲泥の差をもたらす情報をお伝えします。
ごはんがぐんとおいしく! 蒸らしの効果
炊飯の工程のひとつに「蒸らし」があります。
加熱が終わった後、10~15分間ふたをとらずにそのまま放置しておくだけなので、場合によっては、待ちきれない、省略してしまいたい時間かもしれません。もちろん、加熱工程が終わっていれば、少し芯が残っていることもありますが、蒸らしをしなくても食べることはできます。
ただ、蒸らしをするのとしないのとではやはりおいしさに違いが出てしまいます。ふっくらとつややかなおいしいごはんに仕上げるには、蒸らしの工程ははずせません。
蒸らしは、お米に吸いこんだ水分量を調整するとともに、余熱を使って芯まで熱の伝わったふっくらとしたごはんに炊き上げる仕上げの時間なのです。
蒸らしをしていないごはんは、水分を吸うだけ吸ってふやけていたり、芯の残った状態であったりすることが多いです。蒸らしをせずにふたをあけてしまうと、充満していた蒸気が逃げてお釜の中の温度も下がってしまい、べちゃっとしたふっくら感の少ないごはんになってしまいます。
蒸らしをすることで表面のつやや粘りも生まれます。でんぷんの消化吸収がしやすくなる効果もあるといわれています。
最近の炊飯器でも蒸らしって必要?
炊飯の工程では必要不可欠な蒸らし時間ですが、今までずっと蒸らし時間をとったことなかったけど、おいしく炊けていたようだ、と思いませんか。
実は、最近の炊飯器は蒸らし時間も含めて炊き上がりまで綿密にプログラムされているものがほとんど。スイッチを入れてから炊き上がりを知らせる音が鳴るまでに、最適な状態で蒸らしまで終了しています。
そのため、炊き上がったらすぐにおいしく食べられる状態になっているんですよ。
逆に、炊き上がってからさらに10~15分の蒸らし時間をとっていたとすると、それは蒸らしすぎにつながり、おいしさをどんどん失う行為だったかもしれません。
炊飯器の「蒸らしすぎ」を防ぐには?
炊飯器の場合は蒸らしまで炊飯器にお任せですが、大切なのはここから。
炊き上がったあと、しばらくふたをあけないでいると、お釜の中は水蒸気で満ちており、高温状態を保っています。
そのため、このままの状態でおいておくと蒸らしすぎになり、ふっくらとつやつやしていたごはんが次第にかたく重くしまったようになっていきます。底の方のごはん粒はつぶれ、水滴になった水蒸気が一部のごはん粒について、ふやけることもあります。
蒸らしすぎを防ぐには、炊き上がったらすぐに「ほぐし」を行うようにすることが大切です。
ほぐし作業は、ふたをあけて余分な蒸気を逃すように、底の方から大きくやさしくごはんを返しながら、切るようにほぐします。
炊き上がりのムラをなくして均一にすることで部分的なべたつきや乾燥なども防ぐことができ、粒立ちのよい、ふんわりふっくらとした仕上がりになりますよ。
また、茶懐石ならではのごはんの楽しみ方に、蒸らしの違いで3回ごはんを味わうというものがあるそうです。炊き立て、10分前後蒸らしたもの、20分前後しっかり蒸らしたものを順番に、味の変化を楽しむとのこと。蒸らし時間の違いで、ごはんのおいしさが変わるということがよくわかりますね。
ごはんの炊き上がりのおいしさを左右する「蒸らし」と「ほぐし」。タイミングもぜひ意識してみてくださいね。
農林水産省「お米のおいしい食べ方」
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2011/spe1_04.html
農林水産省「お米のおいしさがアップする炊き方と保存法」
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/wagohan/articles/2111/spe3_01.html
農林水産省「おうちで茶懐石!大切なのはお客様を思う心」
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/wagohan/articles/spe8/spe10_01.html
日立「浸し・蒸らしは必要ない?おいしく炊く基本とコツ」
https://kadenfan.hitachi.co.jp/my/mail/step_03_kitchen.html
大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
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