新米っていつからいつまで?おいしく食べるポイントは保管方法!

毎年秋になると新米が出荷され、お米がおいしい季節となりますね。
今年はお米不足の影響もあり、新米の販売がいつも以上に待ち望まれています。

ところで、新米とは、いつからいつまで出回るお米のことか、ご存じですか?
新米とされる時期と、お米の保管方法について、解説していきます。


新米と呼ばれるのはいつからいつまで?


秋になると収穫されるお米。その年に収穫されたお米が新米となります。
店頭で「新米」という表示で売っているのを目にするようになりますよね。

では、いつまで新米という表示をしてよいのでしょうか。
食品表示法の食品表示基準によると、秋に収穫してその年の12月31日までに精米され、包装されたお米が新米とされています。

年内に精米・包装されたお米が店頭に出回るのは、年明けになるでしょう。

つまり、地域によって差があるものの、2024年に収穫されたお米は、秋に店頭に出てきた時期から、2025年の年明けくらいまでに売られているものが新米となります。

お米の収穫は基本的に年1回なので、2025年の1月1日以降に精米・包装されたお米も新米と同じ2024年に収穫されたものです。あくまでこれは表示上のルールとして設けられているものです。

新米が出はじめる時期は?



各地の新米が店頭に出回る時期は、気候にもよりますが、早いものでおおよそ次のようになります。

  • 7月ごろ:沖縄と九州の一部
  • 8月ごろ:九州から近畿、東海、北陸
  • 9月ごろ:関東から東北、北海道

お米の品種によっても収穫時期は異なり、8月から10月にわたります。そのため、店頭に並ぶのも11月からという品種も。
また、自然乾燥など、収穫後の工程に手間をかけているとそれだけ出荷時期が遅くなります。

地域や品種、工程でそれぞれ違う新米の出荷時期。では、どうやって新米を見極めればよいのでしょうか。

お米のパッケージには「産年」と「精米日」の表示をしなければなりません。
この「産年」をみればいつ収穫されたお米かが判断できます。たとえば、令和6年産であれば、2024年に収穫されたお米ということがわかります。

また、「精米日」もあわせて確認しましょう。精米日が新しいもののほうがおいしいとされます。

新米の保管、どうすればベスト?



新米をおいしく食べるのに、炊き方とともに気をつけたいのが、お米の保存方法。
お米は農作物なので、鮮度が大切になってきます。正しく保存すれば、新米のおいしさがより楽しめます。

まず、さきほど精米日が新しい方がよいとお伝えしましたが、精米しておいしく食べられる期間の目安は、7月から9月くらいの暑い時期は2週間程度、10月から3月の冬で約1カ月程度とされています。入手する量を調整しながら、早めに食べきることがおいしく食べるための必須条件です。

<保存場所は野菜室がベスト>


まず、最適な保管場所は、冷蔵庫の野菜室です。
精米後、お米は時間が経てば表面の脂肪が酸化し、味が落ちるとされています。しかし、15度以下にするとそれを防げ、害虫も出ません。

JAなどの低温倉庫もこの温度に設定されています。家であれば、野菜室がベストスポットといえます。
保存温度は低いほどよく、スペースさえあれば冷凍庫でも。解凍は必要ないのでそのまま研いで、炊くことができます。

<密閉容器は必須、ペットボトルでも>


冷蔵庫の中がいっぱいでスペースがない、という場合もあると思います。
その際は、立てて置けるお米の保存容器を入手すると省スペースに。
もしくはペットボトルもおすすめ。ペットボトルなら、湿気や匂いとも無縁な密封状態を保てますし、立てても寝かせてもしまっておけます。

全部を保存するのは無理でも、買ってきてすぐに食べる分は米びつで常温保存、残りはペットボトルで冷蔵庫というように分けると、精米後の酸化を防ぐことができます。2リットルのペットボトルならだいたい一升の米を保存できます。

また、保存の際は、密閉できる容器に移し替えるのがベストです。
ビニールの袋のまま冷蔵庫に入れてしまうと、酸化するだけではなく、匂いが移ってしまい、味が落ちる要因になってしまいます。

店頭に置かれているビニールの米袋は流通上の理由で目に見えない小さな穴が空いています。そこから酸化が進んでいってしまうのです。

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ここまで新米の保管方法についてお伝えしてきました。では、新米の季節が終わると、お米はおいしくなくなってしまうのでしょうか。
実はそれは何十年も前のお話。今は、貯蔵技術や精米技術が格段に進歩したおかげで、新米の時期を過ぎても、変わらずおいしく食べることができます。

新米の時期は、新米をおいしく味わって、その後も保存方法をちょっと気をつけて、おいしいお米を味わってください。


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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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