お米につく虫の予防方法とわいてしまったときの対処法【管理栄養士コラム】

管理栄養士の大槻万須美です。

今回はお米の保管について。お米をよく見たら、黒い虫や白い幼虫がうねうね……。びっくりした経験はありませんか?

夏の大量発生を阻止するには、春ごろからの対策が必要なんですよ。

お米に虫がわかないようにする方法や、お米に虫がわいてしまったら捨てるしかないの?という疑問に対して、実際に虫がわいてしまった時の対処法についてもお答えします。


お米に虫がわいてしまうのはどうして?


お米につく害虫として知られているのは、主に「コクゾウムシ」と「ノシメマダラメイガ」という名の小さな虫です。どちらも飛ぶことができ、刈り入れ前の稲穂や貯蔵中のお米についてしまいます。

虫や卵、そして虫に喰われて砕けてしまったお米は、異物除去技術により工場で取り除かれますが、完全に除去することは難しい場合もあるといいます。また、家の中で他の食品についていた虫がお米に移ってしまうことも。

お米についた虫は、米粒に卵を産みつけます。卵は気温20℃以上になるとひと月ほどで孵化し、お米を食べながら成長→産卵→孵化をして、虫の大量発生につながっていきます。

お米の袋が未開封でも、ノシメマダラメイガの幼虫は袋を食い破って袋の中に入ってきたり、成虫でも小さな通気孔から侵入したりしてしまうため、開封後はもちろんのこと、未開封の場合でもきちんと保管をしておくことが大切です。

お米に虫がわかないようにするには?


お米に虫がわかないようにするためには適切な保管が大切です。いくつかの予防法をご紹介します。

予防法1:低温に保つ


虫は一般的に気温20℃を超える湿度の高い環境下では活発に繁殖し、逆に気温15℃以下では繁殖が鈍るとされているため、冷蔵庫の野菜室やドアポケットなどの低温環境で保管して、虫の大量発生を防ぎましょう。

冷蔵庫にスペースがない場合は、常温でも風通しがよく温度が上がらない場所へ。コクゾウムシは光と乾燥を避けるため、直射日光の当たらない明るい場所も有効です。

予防法2:密封できる容器に入れる


お米を袋のまま置いておくのではなく、密閉できる容器に移し替えて虫の侵入を防止しましょう。

ペットボトルや密閉できるお米の保存容器がおすすめです。においで虫を誘引しないように脱臭効果のあるお米用の防虫剤を入れておくと効果が高まります。


予防法3:キッチンやお米の保管場所を清掃する


虫の繁殖期のピークは夏。そのため、春先にしっかりとキッチンやお米の保管場所を清掃し、虫がわかないように衛生状態をキープしておくことも大切です。

予防法4:お米の必要量を把握し、使い切れる量を購入する


保管期間が長くなると、害虫の発生リスクが高まります。精米から1カ月以内を目安に食べきれる量を購入するのがベストです。

予防法5:虫の発生源となるほかの食品もチェックし、適切に保管する


お米の害虫は、お米以外の食品にもわいてしまうことがあります。玄米や雑穀などの穀類、小麦粉やパスタなどの乾麺、さらにはお菓子にまで発生してお米に移ってくることもあるため、虫がわいていないか他の食品もチェックし、適切に保管しましょう。

お米に虫がわいてしまったときの対処法


お米に虫がわいてしまったら、お米はすべて処分してしまわなければならないのでしょうか。

お米につく虫自体は人体には無害とされているため、虫がわいてしまっても、基本的にお米は食べることができるといいます。ですが、体質によってはアレルギーを引き起こすこともあるため、アレルギーの心配のある方はおすすめできません。

食べる場合は、虫そのものや、虫に喰われたり卵を産みつけられたりしたお米、ノシメマダラメイガが吐く糸が張ったお米も取り除き、しっかりと洗って水切りしてから使うようにしましょう。

虫に喰われたお米は水に浮いてくるため、洗米の際に浮いてくるお米も取り除きます。あまりにも虫が多い場合は、虫に喰われているお米や卵のついているお米も大量であると考えられます。お米は処分し、虫が家の中に残らないようにしっかりと駆除しましょう。

いくら無害とはいえ、心情面・衛生面・おいしさの面においても、せっかくのお米に虫がついてしまっては残念ですよね。お米は適切に保管して、虫がつかないように意識したいですね。

こちらの記事もチェック!
お米は1カ月に何キロ購入するのが正解?【お米のキホン】


農林水産省「買い置きしていたお米に、いつの間にか虫がわいてしまいました。どうしたら良いか教えてください。」
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1609/01.html
アース「害虫なるほど知恵袋 お米にわく虫、コクゾウムシはどこからくる?」
https://www.earth.jp/gaichu/wisdom/sonota/article_010.html


大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。


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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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