体脂肪率を増やさずにたんぱく質摂取を増やす食事とは?

栄養士の堀口泰子です。

たんぱく質を積極的に摂りたい、もしくは足りてないと感じている方は多いのではないでしょうか。

たんぱく質は私たちの体を作っている大切な栄養素です。そのほかにも、ホルモンや抗体、免疫力などに関わるさまざまな役割を担っています。

そこで、たんぱく質を必要量に応じてしっかり摂取するコツと理想的な方法についてご紹介します。


たんぱく質摂取の落とし穴


運動量の多い人のたんぱく質摂取の目安として体重あたり2.0gという情報を目にすることがあると思います。これは運動しているすべての方に当てはまるということではありません。

たんぱく質摂取の1日の推奨値は年齢や体格、活動量によって違いがありますが、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、一般的に体重あたりおよそ0.8〜1.0gとされており、摂取エネルギー必要量の13〜20%が理想としています。さらに、アメリカスポーツ医学会(ACSM)によると、激しいトレーニングを行う運動選手は体重あたり1.2〜2.0gとしています。

たんぱく質は処理できる量に限りがあるため、一度にたくさん摂取しても筋たんぱくに合成することはできません。過剰となったたんぱく質は体脂肪として体に貯蔵されたり、アンモニアや尿素を作りだし、肝臓や腎臓に負担をかける恐れがあるのです。

また、必要なたんぱく質のすべてを肉、魚、卵、乳製品などの動物性の食品のみから摂取しようとすると、脂質を多く摂りすぎてしまいます。動物性たんぱく質に偏ることで食物繊維の摂取量が少なくなり、腸内が悪玉菌優位になることで腸内環境が悪化しやすくなります。

このようなことから、植物性のたんぱく質と動物性たんぱく質の両方をバランスよく食べる必要があるのです。

植物性たんぱく質は豆類や大豆製品のほかに、穀類からも摂取することができます。

そこで着目したいのがお米のたんぱく質なのです。

お米のたんぱく質含有量は?


お米に含まれるたんぱく質の割合はおよそ6%で、ごはん100g中には2.5gのたんぱく質が含まれます。

ごはん茶碗1杯(160g)を1日3回食べると、たんぱく質摂取量はおよそ12g。卵2個分ほどのたんぱく質量となります。

主食として食べる割合から考えると、ごはんを積極的に食べることはたんぱく質摂取を増やすために大いに役立つといえそうです。

さらに、お米のたんぱく質を有効的に活用するためには、必須アミノ酸のバランスを補う必要があります。


お米のたんぱく質は大豆製品と組み合わせて食べることで、必須アミノ酸のバランスを補うことができ、その力を十分に発揮することができます。みそ汁や納豆はたんぱく質摂取の観点からもごはんとの相性がとても良い組み合わせなのです。

いかがでしたか。体脂肪率を増やさずに、たんぱく質摂取を心がけるためには、必要量に応じて、1日3回の食事に分けて動物性と植物性の食品の両方からバランスよく食べることが大切です。

ごはんのたんぱく質を賢く活用して、健康的なカラダづくりや筋肉維持、増進に役立ててみてくださいね。


日本人の食事摂取基準(2020年版)(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
アメリカスポーツ医学会の共同声明:Nutrition and Athletic Performance(英語)
https://journals.lww.com/acsm-msse/Fulltext/2016/03000/Nutrition_and_Athletic_Performance.25.aspx

堀口泰子
栄養士。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。健康食育事業やアスリートサポートに従事。健康的で美味しく食べる食事術を伝える。講演、栄養指導、コラム執筆、レシピ、商品開発、料理講師など幅広く活動。離乳食から介護予防まで様々な食育活動のなかで、健康に役立つお米の食べ方を紹介。スポーツの現場ではジュニア育成と競技競技力向上ための心と体の成長に注力している。
HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/


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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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