玄米は毎日食べてもいいの? 玄米のメリットとデメリット

栄養士の堀口泰子です。

世の中にはさまざまな情報で溢れています。「玄米を毎日食べるのはあまりよくない」といった情報も目にすることがあります。

そこで、その検証と玄米を毎日食べることのメリットとデメリットをご紹介します。


玄米を毎日食べるとよくない? 噂は本当?


検証1.食物繊維を摂りすぎる?


厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、食物繊維の摂取目標量は成人男性で21g/日以上、成人女性で18g/日以上としています。食物繊維の摂取不足が生活習慣病の発症率や死亡率に関連していることがわかってきていることから、目標量の下限のみが設定(3歳以上)されました。

玄米ごはんに含まれる食物繊維は100gあたり1.4g(プロスキー変法)ですから、玄米ごはんを1日1000g食べると摂取できる食物繊維は14gとなります。

玄米ごはんお茶碗1杯で約150gなので、玄米を毎日食べても過剰摂取になるとは考えにくいことがわかります。

検証2.玄米食は消化が悪い?


たしかに玄米は白米に比べて食物繊維が多いので、消化吸収はゆっくりで時間がかかります。

一方で、消化吸収がゆっくりなのは血糖値の上昇を緩やかにしたりと、決して悪いことではないです。

しかし、玄米に芯が残った状態だったり、よく噛まずに食べれば、玄米に限らず当然ながら消化は悪くなります。正しく炊飯してよく噛んで食べていれば、その心配はないでしょう。

検証3.玄米食は栄養が偏る?


玄米はビタミン、ミネラルが白米よりも多く含まれていますが、極端に玄米しか食べなければ、もちろん栄養は偏ります。

他の食材にも言えることですが、それだけ食べていればよいというものはありません。食事はバランスよく食べることが大切です。

玄米を毎日食べるメリットとデメリット



■メリット


玄米には白米に比べてビタミン、ミネラル、食物繊維が多く含まれています。


成人女性が玄米ごはんを毎食200g食べると、補酵素として代謝に関わるビタミンB1やB6は食事摂取基準の1日分の推奨量をおおよそ摂取することができます。

また、強い抗酸化作用を持つとされるビタミンEや整腸作用や生活習慣病の予防や改善に期待ができる食物繊維は目標の半分以上を摂取できることになります。

特に、欠食してしまったり、忙しくてつい食事を簡単に済ませてしまいがちな人にとって、玄米は日頃の栄養不足を補う手段として大いに期待できる食材です。

また、日本人の多くが不足している食物繊維を補えるだけでなく、「よく噛んで食べる」習慣を意識づけできることから、消化酵素の働きを助けて腸内環境を整えます。

さらに、顎や口腔の筋肉を動かすため、血流が増加します。脳細胞の働きを活発にするなど、機能的にもさまざまなメリットが期待できます。

■デメリット


それでは、玄米を食べることのデメリットについてはどうでしょうか。

玄米を美味しく炊くためには十分に吸水して正しく炊飯する必要があります。

玄米のおいしい炊き方<炊飯器編>水の量や浸漬時間は?

もし、時間がない場合は、前夜から冷蔵庫で浸水したり、お湯を使って吸水を促すことで浸水不足を補う工夫が必要です。比較的吸水が早い「無洗米玄米」を使ってもみるのもおすすめです。

玄米はよく噛んで食べることも大切です。

歯の治療中や体調不良の方、消化器官が未成熟な小さなお子さんは、白米と混ぜて食べるなど消化吸収の状態に合わせて炊き方を工夫するとよいでしょう。

<白米と玄米を混ぜて炊く方法>おいしい水加減や浸水時間は?

また、食物繊維の過剰摂取は、玄米食だけで起こることは考えにくいですが、オートミールやサプリメントなどの併用で食物繊維を過剰に摂取すると、不調の原因となることがあります。

大腸への刺激を苦痛に感じたり、ガスだまりや残便感、または下痢などがある場合は、玄米だけでなく食事全体の食べ方を見直す必要があるかもしれません。

また、腸内で水分が不足すると便が硬くなることがありますが、水分不足がなければその心配はないでしょう。


いかがでしたか。

このように、玄米のデメリットは正しく炊飯して、食べ方をきちんと理解していれば、その多くは解消できます。

玄米のメリットを活かして美味しく健康的な食生活にお役立てください。

文部化科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html 日本人の食事摂取基準(2020 年版)(PDF)https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

堀口泰子
栄養士。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。健康食育事業やアスリートサポートに従事。健康的で美味しく食べる食事術を伝える。講演、栄養指導、コラム執筆、レシピ、商品開発、料理講師など幅広く活動。離乳食から介護予防まで様々な食育活動のなかで、健康に役立つお米の食べ方を紹介。スポーツの現場ではジュニア育成と競技競技力向上ための心と体の成長に注力している。
HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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