鍋のシメ「雑炊」は洗ったごはんで作るって知ってた? おいしくなるひと工夫をチェック!

管理栄養士の大槻万須美です。

お鍋がおいしい季節。野菜や肉・魚などの食材をおいしくいただいたあと、うまみが染み出た出汁でしめのひと椀を味わう方も多いのではないでしょうか。

最近では、洋風鍋にスパゲティやショートパスタを入れたり、キムチ鍋にラーメンを入れたりする変わりダネも人気ですが、やはり定番は、ごはんを入れた雑炊

実は、ごはんを投入するだけでなく、ひと工夫するとまた違ったおいしさが味わえるんですよ。


鍋料理のしめ 「雑炊」と「おじや」の違いは?


鍋料理のしめといえばやはり雑炊ですよね。たくさんの食材から出た出汁をたっぷりと含んだ雑炊は、鍋料理のしめにぴったりのおいしさです。

ところで、鍋料理のしめのお米料理、「雑炊」と「おじや」って名前が違うだけで同じものだと思っていませんか?

名の由来は、ごはんに水を「増水」させたことから「雑炊」となったとか、煮えるときの音から「おじや」と呼ばれるようになったなどともいわれていますが、実は、雑炊とおじやは炊いたごはんを出汁や水などの汁に入れて煮込むところは同じですが、別の料理として定義づけられることが多いようです。

諸説あるものの、

・雑炊は、ごはんをさっと水洗いして表面のぬめりをとってから、出汁や具材と一緒に煮込んだもの

・おじやは、炊いたごはんを水洗いせずに出汁や具材と一緒に煮込んだもの

とされています。

雑炊とおじやの仕上がりにどんな違いがあるのか、実際にお鍋をいただいたあと、ごはんを洗うか洗わないか以外は同条件にして試してみました。

<雑炊>ごはんを水洗いしてから鍋に入れる

・水分量が多く、ごはんと出汁は分離している
・さらに過熱しても、ごはん粒はやわらかくなり、出汁にもとろみはつくが、おじやのように塊にはなりにくい(さらに時間をかけて煮込むとおじやと近い状態になる)
・味はうすく感じ、上品な味わい
・さらっとしている

<おじや>ごはんを洗わずに鍋に入れる

・ごはんが出汁を含みやすく、水分量が少ない
・ごはんがやわらかくなりやすい
・加熱後しばらく置いておくと、糊状にごはん同士がくっつき、塊になりやすい
・味は濃く、どっしりとした重みを感じる

といった感想を持ちました。

味や食感は好みではありますが、短時間でよりごはんがやわらかくなるのはおじやの作り方、加熱後しばらくしてもさらっとしているのは雑炊の作り方、ということがわかりました。

ごはんを流水で洗うだけで、なぜこのような違いが出るのでしょうか。

炊飯時、お米に含まれていたデンプンは、結晶化した構造をもつ「β-デンプン」から、「α-デンプン」という結合がほぐれた状態へと変化します。

α-デンプンはやわらかく水に溶けやすい性質のため、出汁や水を加えてさらに加熱していくうちに溶け出していきます。やがて、ごはんはやわらかくなり、とろりとした仕上がりになります。これが「おじや」です。

一方、「雑炊」は、炊いたごはんを流水で洗うことで、表面のデンプンが流れ落ちるとともにごはんの温度が下がるため、出汁や水にデンプンが流出しにくくなり、さらさらとして、とろみが出にくくなります。

また、とろみがついた状態で加熱を続けているため、とろみがない状態よりも対流が起きにくく、加熱の状態にも違いが出てくると考えられます。

雑炊とおじや おいしく作るポイント



サラサラとした雑炊と、とろみにあるおじや。ぞれぞれ以下のポイントを意識して作るとおいしく仕上がりますよ。

雑炊のようにサラリとしたごはんの食感がお好みの場合


  • 炊いたごはんを一度流水でさっと洗い、ザルで水気を切る
  • 汁を多めにして煮すぎない
  • あまりかき混ぜないようにする
  • お好みの状態になればすぐに火を止める

おじやのようにどっしりとした仕上がりがお好みの場合


  • あつあつのごはんを使う
  • こげないようにかき混ぜながら加熱する
  • 好みのかたさになるまで水分を足して調節する


鍋料理のしめごはん、ごはんを洗うのと洗わないのとでは、仕上がりにも違いが生まれました。お好みに合わせてぜひ試してみてくださいね。

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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