玄米のおいしい炊き方<炊飯器編>水の量や浸漬時間は?

栄養士の堀口泰子です。

最近の炊飯器はさまざまな炊飯モードが搭載されていて、おいしいごはんを炊くことができます。それでも、お米をといで、水を加減するまでは人の役目です。炊飯器にせっかく高い機能が備わっているのに、その機能を十分に発揮できていないことがあるのかもしれません。

そこで、今回は炊飯器で玄米をおいしく炊く方法をご紹介します。

炊飯器の機能に玄米モードがありますが、白米モードとはどのような違いがあるのでしょうか。玄米モードがない場合のコツもあわせて確認してみましょう。

写真は玄米3合(玄米ごはん1食200gでおよそ5食分)を炊いています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

1.玄米の計量


玄米の炊き上がりは水分量に影響を受けやすいため、正しく計量します。

米1合は180mlです。お米用の計量カップは180mlですが、調理で使用する計量カップは200mlと容量が違います。お米用のカップで誤差がないように、菜ばしなどを使ってすりきり一杯を正確に計量します。



2.玄米をとぐ


米は最初に触れた水を吸水しやすい特徴があるので、とぎ始めの水はすぐに流して新しく入れ替えるようにします。



玄米をザルに入れ、水を入れた大きめのボウルにザルごと入れて、素早く数回かき回し、玄米の表面の汚れを落として一旦水を流します。


とぐ時の力は、白米よりは強めです。ザルの網目に擦りつけて、玄米の表面に傷を付けるように洗うことで吸水しやすくなります。

力いっぱいとぐ必要はありませんが、手のひらの腹(母指球)を使って押しあてるようにとぐと力が入りやすいです。

しばらくといでいると、金網の下に薄黄金色の水が出てくるのですすぎます。2〜3回繰り返して最後に流水ですすぎます。




3.浸漬


玄米はしっかり浸漬させます。中心部まで十分に吸水するためには浸漬時間は5〜6時間以上です。時間があれば夏は8時間、冬は12時間ほどが理想的です。


炊飯器の玄米モードでは白米モードより長く浸漬時間が設定されています。製品によって違いはありますが玄米モードの浸漬時間は50分ほどなので、炊飯前に4〜5時間、少なくとも2時間くらいは浸漬したいですね。

その場合、気温が高い夏場は臭いが出やすくなるため、室温ではなく冷蔵庫で浸漬することをおすすめします。



4.水の計量


玄米を浸漬した後、一度ザルにあげてから炊飯釜に移し、新しく冷水を使って炊飯します。浸漬している間に玄米のミネラルが水に流出して、そのまま炊くと風味に影響することがあるためです。

水量は玄米の1.5倍が目安です。炊飯器では玄米用の目盛りにあわせて水を加減します。


炊飯器に玄米モードがない場合は、玄米の浸漬時間や吸水状態によって差はありますが、白米の目盛りから1〜2mm、100mlほど足した水加減が目安となります。お好みの炊き上がりによって水を加減してみてくださいね。


炊飯時の水温は低い方が炊き上がりの甘味が増します。

また、日本の水道水はおいしいと言われていますが、もしカルキ臭が気になる場合は、浄水器を通した水やミネラルウォーターを使ってみるのもよいでしょう。ミネラルウォーターを使用する時は、米の吸水を妨げるとされるカルシウムの含有が多い硬水よりも軟水を使うことをおすすめします。

さらに、少量の塩を加えて炊くことで吸水率が良くなります。



5.炊飯


炊飯器に玄米モードの機能が搭載されている場合は、ぜひ活用することをおすすめします。白米モードよりも低い火力でゆっくり炊くように設計されています。

玄米モードがない炊飯器の場合、浸漬をしっかりおこなうことで玄米を炊くことはできますが、最大炊飯量に注意が必要です。

玄米は白米よりも水の量が必要になりますし、糠分も残るためふきこぼれやすくなります。5合炊きの炊飯器では玄米の炊飯満量は3合であることが多いです。白米の満量と同じ量を炊飯することはできないので、お持ちの炊飯器の取扱説明書を確認してみてください。

おいしい炊き上がりの目安は、表面の所々に小さな穴が見えること。鍋底から空気が抜けるときにできる穴で、カニ穴と呼ばれています。

しゃもじで全体を切るようにまぜ、米粒に蒸気を纏わせるように余分な水分を飛ばします。




6.保存


玄米の保温はおすすめしません。お持ちの炊飯器の取扱説明書も確認してみましょう。

臭いやぱさつきが出ておいしさが低下するため、すぐに食べない場合は、小分けにして冷凍保存するのをおすすめします。



いかがでしたか。忙しくて時間がない場合は、浸漬の必要がない無洗米玄米の選択肢もありますね。

炊飯器の機能を上手に活用しておいしい玄米生活を楽しんでみてください。

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堀口泰子
栄養士。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。健康食育事業やアスリートサポートに従事。健康的で美味しく食べる食事術を伝える。講演、栄養指導、コラム執筆、レシピ、商品開発、料理講師など幅広く活動。離乳食から介護予防まで様々な食育活動のなかで、健康に役立つお米の食べ方を紹介。スポーツの現場ではジュニア育成と競技競技力向上ための心と体の成長に注力している。
HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/


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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
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    大槻万須美
    管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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