冬のお弁当作り「ごはんが硬い」を防ぐポイントは?

管理栄養士の大槻万須美です。

特に気温が低い冬場は、お弁当のごはんも硬くなりがちで、ごはんがカチカチにならないように試行錯誤をされている方も多いのではないでしょうか。

冬は気温が低いからごはんが硬くなるのはいたしかたない、とあきらめていませんか?

冬のお弁当でもごはんが硬くならないコツをお伝えします。


冬にごはんが硬くなるのはどうして?


ごはんが硬くなる理由には、ごはんの成分とその性質が関係しています。

ごはんの成分は、約70%が「デンプン」、残りの約30%がたんぱく質やビタミン・ミネラルなどとなっています。

生のデンプンは、水を加えて加熱すると、硬く結晶化していたデンプンの構造が緩んでその隙間に水分子が入り、大きく膨張するとともにやわらかく変化する特徴をもっています。このように変化することを「デンプンの糊化(α化)」と呼び、食感や消化も良い状態になります。

しかし、糊化したデンプンを放置しておくと、次第に硬くパサパサした状態に変化してきます。それは糊化したデンプンから水分が徐々に蒸発していき、硬い結晶構造に戻ろうと(再結晶化)する性質があるからです。デンプンが生の状態に戻ろうとすることを「デンプンの老化(β化)」と呼びます。

デンプンの老化は0~5℃の温度帯で最も速く進行するとされており、その中でもより低温に近い温度で老化が進むことが確認されています。

デンプンが明らかに老化していることがわかる状態になるのは、6時間程度必要とされていますが、さらに6~-1℃のゆっくりとした低温状態を繰り返すことにより、デンプンの老化速度も速まるといわれています。

気温が低いときには、デンプンが老化することで、ごはんは硬くなり、ぼそぼそとした食感になってしまうと考えられます。

このことから、残りごはんの保存は、デンプンの老化が高まる温度帯である冷蔵庫(約0~5℃)ではなく、冷凍庫(約-17℃~-20℃)の方がおすすめです。

完全に冷ました後よりも炊き立てのうちに冷凍庫に入れると、デンプンに含まれる水分をより抱き込んだ状態を保つことができるため、解凍後ももっちりしたごはんの食感を長くキープできるのです。

ごはんが硬くなるのを防ぐお弁当作りのコツ



気温が低い冬のお弁当で、ごはんが硬くなってしまうのを防ぐ方法を紹介しましょう。

1. アミロースの割合の低いお米や、粘りの強い銘柄を選ぶ


お米のデンプンには「アミロース」と「アミロペクチン」の2種類あります。

「糊化」と「老化」の現象には、デンプン中の「アミロース」と「アミロペクチン」の分子の形や比率が関わっており、特に「老化」は「アミロース」の比率が高いほど速く進むとされています。

ミルキークイーンなどの銘柄が知られている低アミロース米は、粘りが強く、冷めても食味があまり変化しない特徴があります。

また、アミロペクチン含有量が多いモチモチとした食感の保水率が高めのお米も、冷めてもやわらかさを保ちやすいといわれています。

ちなみに、もち米のデンプンは、すべてアミロペクチンからなり、アミロースの割合は0%です。


2. 炊飯の際にしっかりと吸水させる


冷めてもおいしいお弁当のごはんは、炊き上がりからふっくらとしています。

そのためには、しっかりと吸水させるために60分程度浸水しましょう。

そのほか、炊飯の際にサラダ油やはちみつを少量加えるという方法がとられることもあります。


3. ごはんは炊き立てを、蒸気を逃がしすぎないように粗熱をとってから詰める


ごはんはアツアツのまま詰めるのではなく、適度に蒸らした炊き立てのごはんをお皿に広げてふんわりとラップをかぶせて乾燥を防ぎ、粗熱を取ってから詰めるようにしましょう。

炊き立てのごはんを詰めてしまうと、蒸気が水分へと変わり、べちゃべちゃになってしまったり、傷みの原因になってしまったりすることも。冬でも食中毒には気を付けて、おいしく安全にお弁当を作るためにも、ごはんは冷ましてから詰めること大切です。


4. お弁当にはゆったりと詰める


ごはんをぎゅうぎゅうにきつく詰めてしまうと冷めた時に硬くなりやすくなります。

逆にふんわりと盛り付けすぎると、お弁当を持ち歩いている間に片側に偏り、そこでかたまりになってしまうこともあります。お茶碗に盛り付けるより少しきつめを意識して詰めるようにしましょう。


5. 保温機能の高い容器で保温状態(65℃以上)をキープする


保温機能の高いランチジャーやスープジャーなどの容器を活用すると、ごはんをアツアツの状態に保ち、硬くなるのを防ぐことができます。

ただし、注意も必要で、保温力の低い容器の使用や長時間の保管などによってごはんの温度が下がってしまうと、食中毒の危険性も。

食品は30~40℃の温度帯になると菌が増殖しやすくなり、一方で65℃以上になると菌はほぼ死滅し、10℃以下では増殖が鈍るといわれています(ただし、さらに低温で増殖できる菌もあります)。30~40℃の温度帯でごはんを長時間キープしてしまうことで、冬でも食中毒のリスクは高まります。

ごはんの温度を65℃以上に保つために、次のポイントに注意しましょう。

  • 保温力の高い容器を選ぶ
  • 容器に熱湯を注いで温め、詰める直前にお湯を捨てて、水気を清潔なキッチンペーパーで拭く
  • ごはんは炊き立てでアツアツの状態で詰め、すぐにふたをする
  • 保温カバーなどにランチジャーを入れて、外気に触れて温度が下がるのを防ぐ

また、食中毒予防のために、容器内部が体温まで下がった状態で長時間の保存はしないように意識しましょう。


冬のお弁当でもおいしくごはんをいただくための方法として、冷たくなっても硬くなりにくいごはんの炊き方や、ごはんをアツアツの状態で保てるランチジャーの正しい活用法についてご紹介しました。

職場・学校や屋外など、ごはんの温めなおしができない環境でのお弁当の際に、ぜひ試してみてくださいね。


武山進一『うるち米デンプン老化の迅速評価の検討(Ⅰ)』
https://www2.pref.iwate.jp/~kiri/study/report/2020/pdf/no23_13.pdf
消費者庁 魔法瓶
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/zakka/zakka_01.html

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
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    大槻万須美
    管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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