2023年もおいしく!新米の炊き方のポイントとおすすめの食べ方

管理栄養士の大槻万須美です。

新米のおいしい季節がやってきました。新米は、特に水分含有量が多く、炊き上がりも光り輝くほどみずみずしく、ツヤツヤでモチモチ。ほどよい粘りと強いうまみが感じられ、ごはん好きにはたまらないおいしさですよね。

そんな新米をよりおいしくいただくためのポイントをご紹介します。

新米をおいしく食べるためには、お米のしっかり保存が基本



新米とは、「原料玄米が生産された当該年内に精白され、包装されたお米」のことを指します。

お米の収穫は9~11月がピークのため、新米が楽しめるのは数カ月の間だけ。しかも、特別な保存技術をほどこしていない限り、精米したお米はどんどんおいしさが失われていきます。お米に賞味期限は表示されていませんが、精米後なるべく1カ月以内には食べきりたいものです。

お米の包装袋は密閉されておらず、精米後のお米は酸化や乾燥が進んでいくため、新米のおいしさの基本となるのが、しっかり保存です。

新米をよりおいしく保存するためには、密閉できる保存袋や容器などに、1回の炊飯に使う量ごとに小分けにしておき、温度・湿度が安定した冷暗所に保管しておくのがよいでしょう。

家の中の保存に適した場所で、精米後なるべく1カ月以内に使い切れる量を保管するのがポイントですよ。

  • お米の保存に適した場所:冷蔵庫の野菜室やドアポケット
  • お米の保存には適さない場所:シンクの下などの湿気の多い場所や冷凍庫

新米をおいしく炊くための7つのポイント



新米をおいしく炊く時に大切なことは、新米ならではの特徴に合わせた炊飯方法を実践することです。

精米後販売される際の米の水分量には規定があり、乾燥により一律に調整されていますが、新米は保水量や吸水率が高く、細胞壁もやわらかいため、炊き上がりがもちもちでやわらかく感じるのです。また、ぬか臭さのないフレッシュな風味や甘みも新米の特徴です。

【新米の炊き方のポイント】


1. 計量
炊飯器に付属しているカップを使いきちんとすり切りして量りましょう。料理用の計量カップを使用する場合は1合180ml、重さで量る場合は1合150gになります。

2. 洗米
はじめの水は素早く捨ててすすいでから洗米します。特に新米は米粒がやわらかいので、洗いすぎは禁物。短時間でやさしく洗うようにしましょう。

3. 水加減
普通に炊いてみてベタつきが気になる時は、水加減は少なめに設定します。お好みに合わせて、1合あたり大さじ1程度水を減らします。

4. 浸水
普通の白米30分に対して、新米の吸水時間はやや短めにします。季節が進み気温が低くなるにしたがって吸水時間は1時間ほどにします。浸水後は5分程度ざるで水切りしましょう。

5. 炊飯
粘りが出やすいので、通常よりも高火力・短時間で炊き上げます。最近では新米モードのある炊飯器もありますが、ない場合は早炊きモードがおすすめです。

6. 蒸らし
蒸らし時間は短めに。蒸らしが炊飯時間に組み込まれている炊飯器の場合は、プラスの蒸らしは不要です。

7. 炊き上がりのほぐし方
余分な水分を逃すように、ごはんの底の方から大きくやさしく返します。炊き上がった新米ごはんはふっくらとしてやわらかいため、かき混ぜすぎるとつぶれて粘りが出てしまうので注意しましょう。

いつものように炊き上げてから、次からはお好みに合わせて調整していくのが、新米を最大限においしくいただけるポイントですよ。

新米がもっと食べたくなる! おすすめの4つの食べ方



新米ごはんのおいしさを存分に味わえる食べ方はやはりこの4つ。もっと食べたくなる新米の楽しみ方をご紹介しましょう。

塩むすび


言わずと知れた、ごはんのおいしさを一番味わうことができるシンプルな食べ方です。

きれいに洗った手に粗塩を振って、粗熱をとった炊き立てごはんをふっくらとまとめるようににぎり、あたたかいうちにいただくのがおいしさの秘訣です。

土鍋で炊く


土鍋で炊く新米は、うまみが引き出されよりいっそうふっくらとおいしく炊くことができます。おこげができるのも土鍋ならでは。火加減などのコツをマスターして、土鍋ごはんで新米の最大限のおいしさを味わいたいですね。

▼土鍋を使った白米の炊き方
土鍋や普通の鍋でおいしい!白米の炊き方【基本】

新米ごはんと秋の味覚


新米の出回る時期は、きのこや栗、さんまといった秋の味覚がおいしい季節でもあります。ツヤツヤの新米ごはんと秋の味覚のコラボは、どの組み合わせも極上のごちそうです。炊き込みごはんにするときは、水分量と調味料は控えめにして、素材のおいしさを感じるのがおすすめです。

▼新米のおすすめレシピ
新米のおいしい炊き方&おすすめレシピまとめ【2023年版】

あえての冷ました新米ごはん


冷めてもやわらかくもちもちしているのが新米のもう一つのおいしさです。アツアツの新米ごはんもいいけれど、冷ました新米ごはんも格別。冷ましたごはんは炊き立てに比べて歯ごたえが強くなるため、噛む回数が増え、「噛むおいしさ」を味わえるんですね。

新米のおいしさは、ごはんの炊ける湯気の香りからすでに漂ってきます。今年もまたおいしい新米が味わえる幸せを噛みしめます。

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。

■せっかく新米を選ぶなら「あんしん」にこだわりませんか


今年の新米は、どの産地のどんな銘柄のお米を選びますか? お米を選ぶときは、自分好みの味わいだけでなく“栽培方法”も大事なポイントです。農薬や化学肥料の使用量を抑えて育てられた、子どもや家族みんなにあんしんなお米を選びたいですね。

全国各地のこだわりの農家さんと、スマート農業でお米づくりをしている「スマート米」は、AI・ドローンなどを活用し、農薬の使用量を最小限に抑えたお米です。玄米の状態で第三者機関の検査により「残留農薬不検出」と証明されたお米がそろいます。

各地の人気銘柄から、あまり見かけない貴重な銘柄をラインナップ。白米と同じように炊飯器で手軽に炊ける「無洗米玄米」も人気です。

お求めはスマート米オンラインショップ SMART AGRI FOOD  からどうぞ。

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  1. 加藤拓
    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
  2. 槇 紗加
    槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  3. 沖貴雄
    沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  4. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  5. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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