農家こそInstagramを活用すべき! 参考にしたい農業系インスタグラマー 8選

インスタグラム(Instagram)とは、写真や動画の投稿をメインとした無料で利用できるSNS(ソーシャルネットワークサービス)のこと。「インスタ映え」という言葉が有名ですね。主に若者や女子の間で、いまや必要不可欠なソーシャルメディアとなっています。

同じインスタグラムのユーザー同士で、写真や動画に「いいね」をつけたり、好きな人を「フォロー」したりコメントを書いたり、他のホームページやSNSで広めたりして交流できる機能があります。自分から情報発信をするために使ってもいいですし、他の人の投稿を見たり「いいね」するだけでもいいのです。

このインスタグラムには「ショップ機能」と呼ばれるものがあり、SNSを活用した販売促進がしやすいのも魅力の1つ。
そんなインスタグラムを、農業分野においても活用する事例が増えています。


農業でインスタグラムを利用するメリット


農業分野でのインスタグラム利用のメリットには、以下のようなものがあります。

  • 無料で始められるので初期投資がない
  • 安心感など良いイメージを消費者に与えることができる
  • 地元だけではなく全国の消費者にアピールでき、販路拡大につながる
  • 消費者と双方向のコミュニケーションができ、意見を聞くことができる
  • ファン(固定客)を獲得することができる
  • インターネットでの農産物購入者層とインスタグラムの利用者層がマッチしているので、購入に結びつきやすい
  • 採用活動に活かすことができる

「インスタグラムって若い人にしかできないんじゃないの?」とつい敬遠してしまいがちですが、年齢は関係ありません。
やり方さえ覚えてしまえば写真や動画の投稿は簡単にできますし、やる気次第で強みを出していくことができます。

「じゃあ、具体的にどんなふうに発信していけばいいの?」という方、百聞は一見にしかず。今回は、2023年3月現在でフォロワー数が多い農業系インスタグラマーをピックアップしてみました。

インスタグラムを上手に活用している農家や農業法人の投稿を参考にしながら、自分ならどんなことができるか、実際にアカウントを作ってチャレンジしてみてください。


フォロワーの多い農業系インスタグラマー一覧


秋川牧園(@akikawabokuen)フォロワー3.7万人



山口県で鶏肉・たまご・野菜・黒豚・和牛などを生産する秋川牧園のアカウント。フォロワーはなんと3.7万人。

まず注目すべきはプロフィール文。どこの法人なのか、どんな物を作っているのかなど、基本的な情報をわかりやすくシンプルに記載している上、「@akikawabokuen や#秋川牧園 でご投稿下さい」と秋川牧園の名前を広げるための工夫もされています。お問い合わせ先を明記しているのも良いポイントです。

フォロワーが多い理由の一つは、レシピ掲載が多いこと。シンプルだけどおしゃれで思わず作ってみたくなるものばかりです。


大坂うつみ/株式会社アグリストリート(@agri.street)フォロワー1.5万人



兵庫県丹波篠山市で地元特産の丹波黒枝豆などを生産するAGRI STREET代表・大坂うつみさんのアカウント。若くて爽やかなイケメンで「こんな人が農業法人の代表をしているのか!」とギャップを感じさせます。

プロフィール欄には「農業とは無縁の大阪都会育ち」「23歳で大学院を中退」「手元に10万円だけで起業」「丹波篠山での黒枝豆の生産出荷量No. 1」などと書かれており、この人、気になる~! と思わずにはいられません。


藤屋わさび農園(@wasabi_azumino)フォロワー1.3万人



長野県安曇野市でわさびの栽培やわさび商品の製造、販売、卸売を行っている藤屋わさび農園のアカウント。印象的なのが、人との交流の多さです。投稿にはさまざまな人が登場し、中にはタレントやインフルエンサーも。人との関わりを大切にしている方であることがわかります。

写っている人物には「タグ付け」をしており、自分のアカウントと他の人のアカウントを紐づけていることも、インスタグラム上での交流が盛んになるポイントです。


初代葱師 清水寅(@negibito)フォロワー1.1万人



ねぎびとカンパニー代表・清水寅さんのアカウント。数多くのメディアに出演しているほか、書籍も出版するなど、ねぎの世界ではよく知られている方です。

清水さんの投稿の特徴は、なんといってもすべてモノクロであること。緑豊かな写真・映像を撮ることができる農業の現場ですが、それをあえて封印して、スタイリッシュさ・かっこよさに特化しています。ねぎのブランディングにもつながっていると言えそうです。


太陽ファームグループ(@taiyofarm)フォロワー1.1万人



愛媛県でキャベツやたまねぎの生産、養豚業を営む太陽ファームグループのアカウントです。リール投稿(動画)に力を入れており、再生回数が1万を超える動画も多くあります。

若手従業員が積極的に登場することで、投稿を見た人が「農業って面白そうだな」と興味を持てるので、採用の面でも良い効果をもたらしていると思います。


手島農園 男気トマト(@teshimanouen)フォロワー1万人



「めざましテレビ」「ヒルナンデス」にも出演歴のある手島農園のアカウント。Twitterのフォロワー数は5万人超えのインフルエンサーです。

このアカウントで参考にしたいのが名前の部分。「手島農園 男気トマト l 孤高の脱サラ農インフルエンサー」となっています。農園名やブランド名だけではなく、目を引くようなキャッチコピーを一緒に入れることで、注目度が高まります。


房州びわと山の幸 福原農園(@farmfukuhara)フォロワー1万人



千葉県南房総市で贈答用の房州びわを無農薬・露地栽培する農家さん。このアカウントでは、特別な写真を投稿しているわけではなく、日常を切り取った写真が並んでいます。さまざまな生き物と共存する豊かな自然が印象的です。

農業をしている人にとっては自然が身近なのが当たり前ですが、それは自然の少ない環境に住んでいる人にとっては特別で価値のあるもの。当たり前の環境に目を向けて発信するだけでも、それを求めている人にとっては十分有益なのです。

 


YUMEYASAI(@yumeyasai)フォロワー8000人



根菜農家の只野夢子さんのアカウント。タレントなのでは? と思うくらいかわいらしい方です。インスタグラムだけではなくYouTubeやTikTokの活用、メディアへの出演によりファンを獲得。「農業女子」というブランド力を最大限に活かしています。

プロフィール画像には“YUMEYASAI”のロゴマークを入れており、タイムラインに流れて来た時に只野さんの投稿であることが一目でわかるようになっています。


まずは気軽に始めてみよう!


これらの事例はいずれも成功して高い人気を得ているものばかり。実際に見てみると、「やっぱり無理かも……」と尻込みしてしまった人もいるのではないでしょうか。

しかし、彼らも最初から100%完璧にインスタグラムを使いこなして成果を上げていたわけではないはずです。実際にやってみながら、試行錯誤し続けて今の運用に至っていると思います。

共通しているのは、写真や動画を使って、どんな人にどんなことを伝えたいのかが明確になっていること。そして、無理のない範囲ではあるものの、継続し続けることも大切です。ひとつの投稿がバズる(テレビや著名人の紹介などで爆発的に注目されること)ことよりも、地道に続けてファンを増やしていくことを意識しましょう。

インスタグラムはコスト0で始められるので、たとえ途中でやめてしまっても損はありません。新年度が始まったばかりの今だからこそ、生産者の皆さんも自分たちが作っている農産物やその栽培の過程を紹介するなどして、販売促進やマーケティングなどに活用してみてはいかがでしょうか。


農家さんが農園のインスタを活用すべき理由と運用方法を解説します | ファームコネクト
https://farm-connect.org/agricultural-management/instagram/
農家がインスタ運用で成功するコツ【丸パクリでOK】 | あぐりマッチ
https://agri-match.com/instagram_farmer/
現代農家さんが絶対にやった方が良いたった一つのこと! | 糸満フルーツ園 けんちゃん
https://okinawan-avocado.com/2020/01/08/agri_sns_insta/

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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