中山間地域の農業課題の解決を目指し、CuboRexとイーエムアイ・ラボが提携

汎用型クローラー走行ユニットCuBase(キューベース)を展開する株式会社CuboRexは、ドローンやAIシステムなど最新のスマート技術を駆使して自然環境の調査・分析を行う株式会社イーエムアイ・ラボとの業務提携を2020年4月に発表した。

今回の提携は、傾斜地栽培や悪路環境など日本の中山間地域を取り巻く農業課題の解決を目指したもので、両社は「イーエムアイ・ラボが進める中山間地域の課題解決に、CuboRexが培ってきた走行技術の開発ノウハウを生かし、新たな製品開発および事業開発につなげたい」としている。

汎用クローラユニット「CuBase」を活用した開発品

CuboRexの開発ノウハウとイーエムアイ・ラボの計測技術で協力


CuboRexが開発するCuBase(キューベース)は、農地や瓦礫地帯など悪路環境での走行を得意とする汎用型のクローラー走行ユニットだ。
機体同士の連結やフレームの増設なども可能で、フレーム構造には持ち運びを容易とした軽量アルミフレームを採用。

農業用途のほか、建設機械の実験機等へも活用されており、今後は、高専・工学系大学における実習教材としての活用も期待されている。

汎用クローラユニット「CuBase」(キューベース)汎用型クローラー走行ユニット「CuBase(キューベース)」

イーエムアイ・ラボは、無人ロボットの研究・開発やコンサルティング、AIシステムのプログラミングなど、最新のスマート技術を駆使してさまざまなサービスを展開する長野県のスタートアップ企業だ。自然環境の調査・分析の分野では、ドローンに搭載したレーザースキャナー等を用いて広範囲かつ詳細な計測を実現している。

今回の業務提携は、CuboRexの「製品の開発ノウハウを通じて“農作物をつくる人”を支えたい」という想いと、イーエムアイ・ラボの「中山間地域の社会課題を解決したい」という想いが合致し、実現したものだという。

両社は経営資源を共有することで、中山間地域における解決領域の拡大と解決速度のスピードアップを図り、今後はその流れを全国へと広めていく考えだ。


株式会社CuboRex
http://cuborex.com/
株式会社イーエムアイ・ラボ
https://emi-lab.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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