大型農機を後付けで自動操舵可能にする「X23」がトプコンから新発売

株式会社トプコンは、スマート農業を実現するエントリーモデルとして「X23」ガイダンスシステムを新発売した。


トプコンは、既存のトラクター、田植機、海外製コンバインなどに同社のコントロールパネル、GNSS受信機、自動操縦ハンドルを組み込むことで、これらの機器の自動操舵や高精度なコントロールを可能にするガイダンスシステム/自動操舵システムを開発・販売している。

「X23」は、GNSS(衛星測位システム)を用いて、農機の走行ルートを誘導案内表示するコンソールの新製品。従来製品「X25」の自動操舵システムから、ISOBUS作業機械の制御といったハンドル操作に関わらない機能を削り、より求めやすい価格帯に設定したエントリーモデルだ。それでいて、「X25」の優れた視認性や操作性を有し、購入後にオプションソフトと追加部材により自動操舵システムへのアップグレードも可能となっている。

「X23」の使用イメージ

就農者の高齢化を背景に、「農業従事者の減少」が深刻な課題となるなかで、日本の農業市場は今後ロボット技術ICTを活用し、「省力化」「高品質化」を実現するスマート農業の実現が目指されている。トプコムは「X23」の発売により、日本の農業の「生産性向上」、「コスト削減」「非熟練者の活用」という課題に取り組み、スマート農業の普及促進に貢献していくという。

「X23」の主な特長

ガイダンスシステムによる作業効率の向上

モニターで走行ルートの確認や作業軌跡を確認することができ、目視による確認が難しい作業での重複を防止、また作業効率の向上を実現する。取り付けや操作も簡単で、スマート農業のエントリーモデルとして最適。

視認性・操作性に優れた8.4インチモニター

モニターサイズは、既存製品である「X25」と同サイズの、視認性に優れた8.4インチ。タッチパネルも同様に快適な操作を実現。

購入後のアップグレードが可能

購入後に自動操舵システムへのアップグレードや、ISOBUS(※1)対応作業機の制御、セクションコントロール(※2)、可変施肥(※3)などの機能を追加することが可能。

強靱な耐環境性能

防塵防水性能JIS保護等級IP67に準拠し、土埃の舞う農場や突然の雨でも安心して使用できる。また、使用温度範囲はマイナス25℃から65℃と広域にわたる。

※1 トラクターと牽引する作業機間で通信するデータの国際規格。トラクターと作業機、「X23」がISOBUSに対応していれば、トラクターに作業機のプラグを差し込むだけで、「X23」から作業機を制御できるようになる。
※2 農薬などの散布機のノズルを場所ごとに自動でオン/オフし、重複散布を防ぐ機能。
※3 生育センサーなどから取得した作物の生育データを元に、場所ごとに自動で肥料の散布量を調整し、生育の均一化を図る機能。

<参考URL>
トプコンガイダンスシステム X23/SGR-1
トプコン|精密農業
株式会社トプコン


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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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