日本初の営農型太陽光発電架台「ノータス架台」の実証実験プラントが完成

営農型太陽光発電の開発・コンサルティングを手がけるノータス株式会社は、国際特許取得技術を採用した日本初の営農型太陽光発電専用架台「ノータス架台」の実証実験プラントを滋賀県竜王町に設置した。

「ノータス架台」は、3次元追尾式太陽光発電架台特許技術を用いて開発された営農型太陽光発電専用の架台だという。同社では、プラントの設置に合わせ再生可能エネルギー事業であるノータスソーラーも本格稼働させる予定だ。


ノータスは太陽光発電の開発およびコンサルティングを主な事業として、2017年に設立された企業。農業流通の企画を担うUPFARM株式会社と、鳥取県の農業生産法人 米風土鳥取と連携して、農業と発電の完全両立を目指した営農型専用の太陽光発電に取り組んでいる。

国内の太陽光発電市場は、固定価格買取制度(FIT制度)により、2012年以降の再生可能エネルギーのうち約94%を占めるまで増加したが、設備に適した用地の約8割は開発が済んでいるため、用地の不足が今後の課題とされている。

このような状況を受け、日本政府は再生可能エネルギーの普及を目的に、営農型太陽光発電に関連する農地法の緩和を進めてきたが、栽培作物の適応や大型農機の利用制限などの課題から、当初見込まれた規模には至っていないのが現状という。

3次元追尾式太陽光発電架台で農業と発電の両立を目指す


営農型太陽光発電とは、支柱を立てた農地の上部空間で発電を行う太陽光発電設備を指す。

「ノータス架台」は、農業と太陽光発電の完全両立を目指した製品で、「営農に特化した空間設計」、「太陽の位置を検知する3次元追尾機能」、「農作物の発育を阻害させない角度調整」、「優れた耐環特性」の4つが特徴という。

営農空間は、幅12m×高さ4m×奥行き12mと業界トップクラスの面積を誇るため、さまざまな作物の栽培に適応できるほか大型農機の利用も可能としている。

また、太陽の位置を検知する3次元追尾機能では、パネルを最適な角度で太陽に向けられるため固定型と比べて最大146%の発電効率を実現している。(※2019年に行われたイタリアでの実証実験より)

太陽光の追尾に使用される技術は、イタリアREMTEC社の3次元追尾式太陽光発電架台技術「アグロボルタイコ」を用いたもの。日本国内では同社のグループ企業であるノータスソーラー株式会社が製造・販売権を取得している。


太陽光パネルは駆動して角度を変更することが可能なため、パネルの日陰など農作物への影響を最小限に抑えることが可能。強風時や積雪時にはパネルの向きが自動で変更される仕組みだという(強風時は水平、積雪時は垂直)。

複雑な許認可等をサポートするノータスソーラー事業も展開


同社では「ノータス架台」を、農業と太陽光発電の完全両立を目指した「ノータスソーラー事業」の中核的製品に位置付け、架台の設置ほか設置に必要な農地の転用許可手続きのサポートや農作物の栽培を支援する総合的なコンサルティングも展開していきたい考えだ。

農業生産法人らとの取り組みを通じて日本の農業の実態に接してきた同社は、「営農型太陽光発電の普及には栽培作物の制限や大型農機の利用をクリアした架台の提供および複雑な許認可等をサポートすることが必要である」と述べている。


ノータス株式会社
https://notus.co.jp/
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WRITER LIST

  1. 福田浩一
    ふくだこういち。東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。現在は主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。http://www.ijas.co.jp/
  2. 中村圭佑
    なかむらけいすけ。明治大学農学部卒業後、日本農薬株式会社に約7年勤務。その後、大手経営コンサルティング会社を経て、FOOD BOX(現在登記準備中)を2019年7月に起業。Facebook:https://www.facebook.com/foodboxjp/、Instagram:https://www.instagram.com/foodbox_jp/
  3. 百花繚乱
    趣味は料理、漫画、読書のミドルの男です。商社勤務で全国や海外を転々しているうちに、故郷に哀愁を覚え、約10年前に地元の農業関連会社にとらばーゆ。
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    2児の父。あるきっかけにより農業のイメージを変えたいと考え、16年間のサラリーマン生活にピリオドを打つことを決意。2020年春、家族で田舎に移住し、新規就農を目指す。自身が「移住×就農のモデルケース」となるために、いろんな方面へ向けて奮闘中。
  5. 藤本一志
    ふじもとかずし。大学・大学院の6年間を通して地域づくりと農業の活動に関わる。1年間のサラリーマン生活の後、学生時代から活動していた地域に移住し、2拠点居住を開始する。移住支援を通じた地域づくり活動に取り組む傍ら、兼業農家として稲作に取り組む。