Jリーグ水戸ホーリーホック、脱炭素社会の実現に向けソーラーシェアリングに挑戦

株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホックは、化石燃料をクリーンエネルギーに転換して脱炭素化社会を構築する「GXプロジェクト」を開始した。農事業「GRASS ROOTS FARM」で培ったノウハウを活用し、ソーラーシェアリングに取り組む。


ハイブリット型のソーラーシェアリングを実施


Jリーグクラブである水戸ホーリーホックは、地域との取り組みの一つとして、2021年に農事業「GRASS ROOTS FARM」をスタートし、「圃場での交流機会の創出」や「ホームゲームでの地域特産品の販売」など、さまざまな活動を行っている。

2022年からは、地域に関わる人々と「ホームタウンのみらいダイアログ」というワークショップを複数回に渡り実施。ワークショップを通じて、農家の高齢化や耕作放棄地の問題、地域経済の衰退についての不安があることを知ったという。

また、Jリーグ全体で行われている「Jリーグ気候アクション」では、当時小学生だった田島修太くんをプロジェクトリーダーとした「新しいフツウを子どもたちからプロジェクト~大豆ミートバーガー編~」に取り組み、2023年のJリーグシャレン!アウォーズで「明治安田 地元の元気賞」という形で評価されている。


水戸ホーリーホックは、今回、クラブとして培った農事業のノウハウを活かし、地域課題と社会課題の両方を解決する取り組みとして、ソーラーシェアリング事業を開始。

具体的な取り組みとしては、Jリーグクラブが持つ発信力を最大限に活用し、気候変動アクションの意義と必要性を周知するほか、電気を作りながら有機農業を行い、それによってできるオーガニック野菜を加工することで新しい特産品を生み出し、地域の経済の活性化に貢献していきたいとしている。

現在GRASS ROOTS FARMで活動している圃場とは異なる場所での実施となる予定で、ホームタウン城里町にある約2000平方メートルの耕作放棄地で、藤棚式と垂直式の両方を配置したハイブリット型のソーラーシェアリングを実施する。

太陽光発電で作られた電気の一部は、農業を行うのに必要な電力として一部自家消費しながら、残りは電気小売業者を通じて地域へ販売する。

なお、1年目は大豆の栽培、加工品としては大豆珈琲を作ることを計画しているほか、今後は他の農作物の栽培も検討しているという。

水戸ホーリーホック 代表取締役社長 小島耕氏のコメント
今年、水戸ホーリーホックはクラブ創立30周年という記念すべき年を迎えました。あらためて多くの方にクラブを支えていただいたことを感じています。 いかなるときも、クラブは地域の皆様と向き合うこと、それをなくしてこのクラブのアイデンティティを語ることはできません。

今回は日本スポーツ界を牽引するJリーグに加盟する一クラブとしての責務と、地域が抱える課題を掛け合わせたときに、我々にできることは何かをクラブ内で議論をしました。その中でGXプロジェクトをスタートすることが自分たちの存在意義であると判断いたしました。

今回の取り組みにより、水戸ホーリーホックが地域の皆様と共に社会の課題解決を実現し、魅力ある地域作りに向けての一歩を踏み出せればと考えております。 水戸ホーリーホックの新たな挑戦への引き続きのご指導、そしてご理解・ご協力を賜れれば幸いです。

水戸ホーリッホックは、地域におけるプラットフォームとしての役割を最大限に活かし、地域の人の考え方や生活を変える取り組みにつなげていきたいとしている。


株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホック
https://www.mito-hollyhock.net/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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