ワタミオーガニックランド、ソーラーシェアリングで栽培したワイン用のぶどうを初収穫

ワタミオーガニックランド株式会社が運営する「陸前高田ワタミオーガニックランド」が、ソーラーシェアリングの農地でのぶどう栽培3年目を迎え、2023年10月18日に初収穫を行った。

「ゼロからワインをつくる取り組み」の初収穫


「陸前高田ワタミオーガニックランド」は、2021年4月29日に開業した有機・循環型社会をテーマにしたオーガニックテーマパーク。陸前高田市と連携しながら、約23ヘクタール(東京ドーム5個分)の広大な敷地に農場・牧場・野外音楽堂・発電施設など、今後20年かけてさまざまな施設を増やしていく計画だという。

また、農作物を生産し、それを元にした加工品を作り、販売までを手がけることでワタミグループが推進する再生可能エネルギーを利用した循環型6次産業モデルを具現化していく。

今回収穫したぶどうは、東日本大震災で甚大な被害を受けた陸前高田市の復興を象徴とする事業として開始した「0(ゼロ)からワインをつくる取り組み」で栽培したワイン用のぶどう。栽培面積は7000平方メートルで、約500本の苗を使用している。

ぶどうの生産(1次産業)、加工(2次産業)、販売(3次産業)まで融合した6次産業化を目指したワインづくりで、土が少なくても栽培可能な根域制限という栽培方法を採用している。

さらに、独自の取り組みとして、太陽光発電と農地を共有するソーラーシェアリングを導入。これにより、発電された再生可能エネルギーを園内で消費するだけでなく、パネル自体が雨除けとしてぶどうの生育環境を整える役割も果たしているという。

ワタミオーガニックランドの太陽光パネル

今回の初収穫では、約200kgのぶどうを収穫。収穫されたぶどうは、岩手県大船渡市にあるワイナリーで醸造され、2024年3月にはワタミオーガニックランド産のワインが200本誕生する。

今後は、出荷数を増やし園内で醸造を行う計画も立てているとのこと。

現地スタッフによる収穫作業

栽培責任者の鈴木空慈氏


ワタミオーガニックランド株式会社
https://watami-organic.jp/
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  1. 加藤拓
    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
  2. 槇 紗加
    槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  3. 沖貴雄
    沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  5. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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