腕のセンサーで熱中症をチェックする「バイタルセンシング」、自社農場に導入

総合人材サービスを展開するパーソルホールディングス株式会社のグループ企業・パーソルサンクス株式会社は、気温上昇による体調変化など作業者の健康状態を管理者に通知するシステム「バイタルセンシング」を、自社農場に導入した。

「バイタルセンシング」とは、心拍数や血圧、体温、目の動きなど、人間の生きている証であるバイタルサインを計測して通知するシステムで、同社が運営する「よこすか・みうら岬工房」で働く社員の熱中症対策の一環として導入をスタートしたという。

パーソルサンクスは、パーソルホールディングスの特例子会社(障害者の雇用の促進等に関する法律の第44条の規定により障害者雇用率の算定において親会社の事業所と見なされる)として設立された、障害者雇用専門の人材サービス企業だ。

同社が運営する「よこすか・みうら岬工房」は、障害者の雇用モデルと地域の活性化モデルが連動した栽培施設で、地域農家の人手不足の解消を目的に、苗の定植や農作物の収穫、除草などの作業を行う。

「よこすか・みうら岬工房」では、社員の健康管理として、気温や湿度、周辺の熱環境などのデータを取り入れた熱中症対策に取り組んできたという。しかし、熱中症は個人の健康状態により危険性が異なるという特性から、同社では従業員一人一人の体調をこまめにチェックできるシステムの導入を検討していたそうだ。

気温の上昇によるアクシデントをリアルタイムで通知


同社が導入したバイタルセンシングは、気温上昇によるストレスレベルの変化や心拍数の増加、転倒・転落等のアクシデントを感知して管理者に通知する「腕時計タイプのバイタルセンシング」だ。



2019年に行われたトライアル導入では、同一現場で作業する複数の社員の中から体調不安を感じる社員をいち早く察知できたほか、風向きの変化など体感温度の上昇で急激に体調が悪化した社員の健康状態も察知できたという。

同社では、バイタルセンシングを活用することで、「障害特性により自己表現が難しい社員の危険性も事前に察知して対応することができる」と述べている。今後も障害者の自立と成長を促進する安全な労働環境を提供していきたい考えだ。


パーソルサンクス株式会社
https://www.thanks.persol-group.co.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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