農福連携でリーフレタスなどを栽培するアクアポニックス農園が愛知県に開設

株式会社AgileINNOVATIONのグループ企業で、給排水設備に使用する材料の仕入れや事務を代行するアクアテック株式会社は、約2万株の生産可能株数を誇る日本最大級のアクアポニックス農園「つなぐファーム」を愛知県愛西市に開設した。


アクアポニックスは、魚の排泄物を微生物が分解し、植物が栄養として吸収した後、浄化された水が再び魚の水槽に戻る仕組みを利用して農作物を栽培する水耕栽培システム。農薬や化学肥料を使用しない新たな有機農業の方法として世界中から注目を集めている。


リーフレタスやイタリアンパセリなどを栽培


「つなぐファーム」は、愛知県あま市にある「就労継続支援B型事業所つむぐ」に業務の一部を委託する農福連携を取り入れたアクアポニックス農園。

「就労継続支援B型事業所つむぐ」のスタッフ

給排水設備工事業者が持つ配管施工技術を活用しているのが特長で、野菜や魚に何らかのトラブルが生じた場合に、水耕栽培と陸上養殖を切り分けられる切換型装置(特許第6739709号)も導入している。

建設前の様子
愛西市で農業を営む清水食品株式会社と連携し、10年間使用されていなかった中古のビニールハウスを改修・整備した

改修作業中の様子

「つなぐファーム」に設置された縦型水耕システム

「つなぐファーム」に設置された魚水槽
ティラピア(イズミダイ)や愛知県津島市の郷土料理である「もろこ寿司」に使用されているホンモロコの養殖からスタート

栽培品目は、リーフレタスやイタリアンパセリなどの葉物野菜で、2023年4月5日(水)には希望者を対象にした完成見学会も開催する予定とのこと。

同社は、「地域の食と雇用を支える未来型の農業施設にしていきたい」としている。


株式会社AgileINNOVATION
https://www.agile-innovation.co.jp/
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  1. 加藤拓
    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
  2. 槇 紗加
    槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  3. 沖貴雄
    沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  4. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  5. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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