TeaRoomとムスカ、有機肥料による日本茶の生産・販売で業務連携

静岡県で日本茶の生産から販売まで行う株式会社TeaRoomは、ハエの力を活用し高効率なバイオマスリサイクルシステムで、1週間で有機廃棄物を肥料と飼料に転換するシステムを開発する株式会社ムスカとの業務連携を発表。

2019年秋より、TeaRoom関連会社であり農地所有適格法人の株式会社THE CRAFT FARMと共に、地作りおよび減農薬栽培にこだわりを持って開発された豚糞由来のムスカ有機肥料を用いた生産実証実験を開始し、今回、収穫された茶葉を先行販売する。


地球環境に配慮した循環型農業の実現

TeaRoomは日本茶の産業を未来に繋いでいきたいという思いから創業より日本茶の生産に参入。しかし、日本茶の作付け面積は年々下がり続け、従事者の平均年齢も急激に右肩上がりとなり、生産部門は疲弊しているという。

そんな中、「地球に優しく、かつサステイナブルな形で成長ができる」生産モデルを模索するひとつの取り組みとして、ムスカとの提携が決まった。食品廃棄物による有機肥料を用いた、環境に優しい循環型農業の実現を目指していく。

生産実証実験について

TeaRoomおよびTHE CRAFT FARMが管理する茶畑の一部では、元々使用していた化成肥料からムスカの有機肥料へと変更し、日本茶の経過観測を実施。多年樹である日本茶は即時の変化が観測しづらいため、毎年肥料の投下を続け、日本茶の生育比較・収穫量・食味値の比較調査を行っているという。


クラウドファンディングにてMUSCA TEAを先行販売

今回販売するMUSCA TEAは、ムスカのイエバエ技術により作られた有機肥料を用いて、環境に優しい無農薬栽培への転換に向けた、生産実証実験による最初の収穫となった茶葉だ。ムスカ初のクラウドファンディングとして、8月24日よりMakuakeにて先行販売を開始した。

静岡県中部の安倍川上中流域、南アルプスの伏流水と山間に深く立ち込める山霧によって育まれた柔らかで上質な茶の葉を、畑の管理から製造法までの徹底的なこだわりによって香り・甘み・渋みのバランスを極めた上質なお茶に仕上げたという。


今後は、拡大する世界中のマーケットに対しての輸出を強化すべく、有機肥料を使用した日本茶の生産を加速。また、高齢化する日本茶生産現場に対して、さまざまなバイオおよびアグリテックなどのクロステックスタートアップ、静岡県をはじめとする各省庁との協業により、新たな日本茶の生産の姿を模索していく。

株式会社TeaRoom
http://tearoom.co.jp
株式会社ムスカ
https://musca.info/

株式会社THE CRAFT FARM
https://tcf.co.jp/
ムスカ クラウドファンディング
https://www.makuake.com/project/musca
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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