農林水産省、大学発ベンチャー企業への実証委託先3社を選定

農林水産省は、2020年7月6日~2020年8月10日に公募していた「令和2年度(2020年度)農林水産業等研究分野における大学発ベンチャー起業促進実証委託事業」について対象となる事業を発表した。

この事業は、大学等で行われている農林水産業や食品産業が抱える課題の解決に向けた研究や技術を基にした事業を支援するもので、選出は事務局が合計26件の応募の中から書類審査を行ったのち、外部専門家らで構成される審査委員会がヒアリングを経て決定した。


保水性天然ポリマーに関する技術や、接木苗生産現場を変革する接木カセットなどの事業を採択


支援が決定した事業は、EFpolymer株式会社の「環境に優しい保水性天然ポリマー」、グランドグリーン株式会社の「労働集約的な接木苗生産現場を変革する接木カセット」、株式会社Eco-Porkの「養豚ウイルスの効率的検出・分離法」の3つ。

EFolymerは、バイオ廃棄物で作られた有機超吸収性ポリマーを開発する企業。同社は土壌や作物に影響を与えずに収穫量が増やせる特殊ポリマー「Fasal Amrit(ファサル・アムリット)」の開発・研究を進める。

グランドグリーンは、「接木カセット(R) 」を用いた接木苗生産システム等のサービスを展開する企業で、自動接木装置を利用した「誰でも接木ができる」システムの開発を行う。

Eco-Porkは、畜産農家の改善を支援する養豚経営支援システム「Porker」を提供する企業。繁殖や肥育、飼料給餌量などの飼養情報データを解析して、最適な経営に向けた改善を支援する。

支援対象となった上記の3社には、委託事業者である株式会社野村総合研究所から、事業化に必要な各種支援が提供されるほか、支援期間の最後には農林水産省が実施するイベントで成果を発表する機会が設けられる予定されている。

農林水産省は、事業の発表にあたり「農林水産業・食品産業分野における大学発ベンチャー企業の設立・事業化にかかる機運の醸成を図りたい」と述べた。


EFpolymer株式会社
https://efpolymer.wixsite.com/efpolymer
グランドグリーン株式会社
https://www.gragreen.com/
株式会社EcoーPork
https://www.eco-pork.com/
農林水産省
https://www.maff.go.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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