AI認識&ロボットアームによる栗拾いロボット「Arm-I」の実証実験がスタート

株式会社アトラックラボは、 S-Techno Factoryと共同で、AI画像解析による自動栗拾いロボット「Arm-I」(アーミィ)を開発した。

「Arm-I」は、カメラで地面を撮影し、その中に映っている栗をAI(ディープラーニング)で認識し、その座標へロボットアームを動かし栗を拾う仕組み。ロボットアームは、あらかじめ決められたコースを自律走行する車両に取り付けられており、移動しながら栗を拾っていく。2019年の「第9回農業Week」でも取材している。



参考:日本最大の農業展示会「第9回農業Week」で見つけた注目アイテム<農業ロボット編>
https://smartagri-jp.com/smartagri/834


栗の収穫は実証済み。アームの変更で多目的にも


ロボットの試験は、栗の収穫最盛期となる9月下旬に、京都府の丹波農園株式会社にてAI認識とパラレルリンクの作動、栗を拾いながら移動できるかなどの確認を行った。各種作動は問題なく、今後は実際の運用方法(運用時間、収穫箱の大きさ、集荷方法等)を含めた総合的な活用を進めていくという。


アーム先端に取り付けるグリッパーは、作物や用途に合わせて形状が変更できる。3Dプリンターで作成した複雑な形状のグリッパーも容易に装着できるようになっているため、学習データを他の作物に変えることで様々な用途に利活用できる。たとえば、グリッパーの代わりに、スプレーノズルをつけて、ピンポイント農薬散布なども可能となる。




「Arm-I」仕様


パラレルリンク作動範囲(X:1000mm、Y:1000mm、Z:300mm)
AI処理コンピューター:Jetson nano
車両コントロール装置:AT-Drive(アトラックラボオリジナル)
※車両の大きさや、収穫箱のサイズ、バッテリーサイズは運用時間、圃場の大きさににより変更可能


S-Techno Factory
https://www.facebook.com/pages/category/Industrial-Company/S-Techno-Factory-101812121239066/

アトラックラボ
http://attraclab.com/hp/
丹波農園株式会社
https://tanba.farm/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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