JA全農、会員制サービス「アピネス/アグリインフォ」と「Z-GIS」で連携強化

JA全農は、JAグループ向けの会員制総合営農情報サービス「アピネス/アグリインフォ」(APPINES/AgriInfo)と、電子地図とMicrosoft Excelを結びつけて地理情報を連携させた営農管理システム「Z-GIS」(ゼット・ジー・アイ・エス)の機能を強化し、4月11日より運用を開始した。

「アピネス/アグリインフォ」の機能強化

「アピネス/アグリインフォ」は、JAグループ向けの会員制営農情報ウェブサービスとして、全国の営農指導員、TAC(Team for Agricultural Coordination。地域農業の担い手に出向くJA担当者の愛称)、生産者に対する営農と営農指導の支援を目的に、農業の現場で役立つコンテンツを1998(平成10)年から提供しており、JA会員は月額500円、農家は月額300円で、約4800人のユーザーを抱えている。

主な内容として、1kmメッシュ気象情報(全国1km四方単位の天気、気温、降水量、風向風速、湿度の予報のほか、任意の10地点の定点予報とデータを蓄積)、国内の全登録薬剤(約4500薬剤)の最新情報、食物(作物)名別の残留農薬基準値、JA全農が発行する月刊営農技術情報誌「グリーンレポート」のバックナンバーをはじめ、栽培、施肥、資材等の営農に関する文献情報の検索、営農技術に関する相談、病害虫雑草図鑑、青果物市況情報、主要な園芸作物(現在31品目)の要素欠乏症、過剰症の特徴や対応方法などがある。

今回の機能強化では、1kmメッシュ気象情報にアラートメール送信機能を追加し、気温、降水量、風速、降雪量、霜、積算温度の各項目について、利用者が設定した条件に合致する気象予報が出た時に、メールを受信可能になる。急な雨の予報を見逃すことなく作業計画に反映したり、霜のアラートを設定して防霜対策に活用できる。

アラート条件の設定とメール送信のイメージ

さらに、選択した都道府県の病害虫防除所が病害虫発生予察情報を発表した際にメールを受信する設定も可能。隣県をふくめて設定しておくことにより、いち早く情報を把握し、適切な防除作業計画の作成に活用できるという。

また、トップページでの情報発信を強化し、ログイン前のトップページに会員以外も閲覧可能な研修会・講習会、会議、マニュアル等の資料や動画を掲載する機能を追加した。

「アピネス/アグリインフォ」の新トップページと営農情報

「Z-GIS」の機能強化

Z-GISはインターネット上の電子地図とMicrosoft Excelのワークシートを結びつけたGIS(地理情報システム)。土地所有者や作付け品目・品種、生産履歴な
ど、圃場に関する情報管理の効率化を目指して、2018(平成30)年4月にリリースされた。Excel上でのデータ保存・管理のほか、地図上に営農情報を表示したり、圃場地図の印刷などが可能で、データは専用クラウドストレージに保存し、PC/スマートフォン/タブレットなどから閲覧できる。料金は登録圃場数0~1999までは100圃場ごとに月額200円、2000カ所以上は一律月額4000円となっており、無料お試しユーザーを含み約7400件がダウンロードされている。

機能強化の内容としては、「アピネス/アグリインフォ」で提供している1kmメッシュ気象情報の一部をZ-GISでも利用可能になった。Z-GISの地図の中心で気象ボタンをクリックすると、その地域の1kmメッシュ気象情報が表示され、気温変化、降水量、天気予報に加え、任意の期間(たとえば田植えから現在までの積算気温や、任意の積算気温に達する日)の予想など、営農に必要な気象情報が利用可能になる。

(左)1〜3月の気温推移、(右)積算気温到達日の推定

<参考URL>
JA全農
アピネス/アグリインフォ
Z-GIS

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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