わさびの植物工場栽培を目指し、沖縄県で試験栽培がスタート

わさび栽培の自動化を目的に植物工場向けソリューションの開発を手がける株式会社NEXTAGEは、沖縄県中頭郡西原町に開設した「NEXTAGE 沖縄R&Dセンター」で、県内初のわさびの試験栽培を開始した。

NEXTAGE 沖縄R&Dセンターは、栽培環境に関するデータや各種デバイスから得た情報を集約して、栽培進捗の管理や剪定作業等の判断を遠隔から実行する植物工場である。同社は今回の実証実験を通じて、どのような環境下でも自然栽培と同等品質のわさびを生産できる栽培手法を確立したいとしている。


これまでの実験で得たノウハウで高品質わさびの栽培実現へ


沖縄県は、 さとうきびやパイナップルなど温暖な気候を生かした豊富な特産品を生産している一方で、 冷涼な環境を好むわさびの栽培には適さない地域として知られている。

実証実験では、沖縄県の温暖な環境に適応した栽培手法の開発と確立を目標に、これまでの実験で得た気温や光、 水質や水流などわさび栽培に必要な要素を環境や成長に合わせて調整していくと同時に、東京からの遠隔栽培や栽培管理の自動化に必要な植物栽培管理システムの開発も進める。


NEXTAGEは、代表である中村拓也氏が荒廃したわさび田の状況を見たことをきっかけに、2019年からわさび栽培に取り組んできた。今後は、生産したわさびを出荷すること目標に、カメラやIoTセンサー等の各種デバイスを使用したPDCAサイクルの高速化やAIを活用した栽培環境の自動化を進める考えだ。


株式会社NEXTAGE
https://nextagecorp.com
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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