NTT初の農業×ICT専業会社「NTTアグリテクノロジー」とサラダボウルが協業

東日本電信電話株式会社(NTT東日本)が2019年7月(予定)に設立する株式会社NTTアグリテクノロジーと農業法人株式会社サラダボウルは、「次世代施設園芸のトータルソリューション」確立に向け協業する。

サラダボウルの本社がある山梨県中央市にNTTアグリテクノロジーが構える「実証ファーム」において、サラダボウルが独自の農業経営ノウハウ・生産メソッドを、NTTアグリテクノジーがAI/IoT等の先端技術を提供する等、両社の強みを活かしていく。

環境制御型ハウスでスマート農業を加速

サラダボウルは、農業の法人経営体がまだ数少ない2004年4月に農業法人の先駆けとして設立。「農業の新しいカタチを創る」という理念のもと、農業に経営マネジメントを導入し、日本全国、及び海外に生産事業を展開してきた。

2015年からは最先端の高度な環境制御システムを備えた次世代園芸施設(高度統合環境制御型大規模グリーンハウス)でのトマト生産(栽培面積3.6ha)を開始し、2019年度までに単独農業法人としては日本最大級となる、全国6カ所、合計栽培面積約14haでトマトの生産を展開する。

今回、次世代施設園芸分野においてICTを活用した農業ビジネスの拡大と地域社会や経済の活性化をめざすNTTアグリテクノロジーとの協業により、AI/IoT等の先端技術の活用による「農業の新しいカタチ創り」をさらに深化させ、農業が地域にとって価値ある産業となることを目指す。

主な協業内容は以下の通り。

「次世代施設園芸のトータルソリューション」確立に向けた取り組み

AI/IoT等の先端技術を用いたNTTアグリテクノロジーの「次世代施設園芸のトータルソリューション」確立に向け、サラダボウル独自の農業経営ノウハウ・生産メソッドを導入するとともに、「実証ファーム」における運営を担う。

NTTアグリテクノロジーの実証ファーム概要

次世代施設園芸の外観イメージ

農業生産者への次世代施設園芸関連ソリューションの提供

NTTアグリテクノロジーの自社圃場において、IoT/AIを活用した高度な環境制御や、環境・生育データの分析による収量予測、生産から販売、 労務管理や経理等のバックオフィスシステムまでの各業務プロセスのデータの統合・相互連携するシステムを活用していく。また、ソリューションの品質向上とノウハウ蓄積を図り、2020年度からは 「次世代施設園芸」のトータルソリューションを提供していく。

NTTアグリテクノロジーとしては、自社圃場の運営や、農業生産者への次世代施設園芸ソリューションの提供を通じ、今後5年間で約100億円規模の農産物の流通を目指す。また、NTT研究所をはじめとするグループのAI技術やエネルギーマネジメント等の多様なアセットの活用、街づくりノウハウ等によりシナジー最大化を図り、農業×ICTを軸とした新しい「街づくり」に向けて、自治体をはじめとした地域の皆様に貢献していく。


<参考URL>
農業法人サラダボウル
NTT東日本

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
  4. 鈴木かゆ
    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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