ローカル5Gを活用した農業管理ソリューション、富山県のブドウ畑に導入

PicoCELA株式会社、SCSK株式会社、となみ衛星通信テレビ株式会社、株式会社IoZの4社は共同で、ローカル5Gと無線LANシステムを連結したIoT農業管理ソリューションを富山県南砺市にあるトレボー株式会社に導入した。

各デバイスのデータを無線で送信


トレボーは、500ヘクタールを超える広大な敷地を利用してワイン用ブドウの生産に取り組むワイン醸造会社。
古くから受け継がれてきた伝統的な栽培方法とカメラや各種センサーを使用した最新のスマート農業技術を組み合わせた先進的な農業経営を実践している。しかし、同社がある南砺市は富山県有数の豪雪地帯に位置しているため、圃場に点在するカメラやセンサーで得た情報を送信するケーブルの設置が困難な状況にあったそうだ。

4社が開発したIoT農業管理ソリューションは、となみ衛星通信テレビが保有するローカル5G基地局を元回線に、PicoCELAが開発した屋外用無線LANシステム「PCWL-0410」を使用して、圃場内に点在する監視カメラや鳥獣害検知センサー、天気センサー、スマートグラスなど各種デバイスのデータを無線で送信するもの。

トレボーの圃場に設置された「PCWL-0410」
元回線に使用したローカル5G基地局の中には、圃場から約700m離れているものもあったそうだが、アンテナの向きを変えて通信レベルを変更できる「指向性アンテナ」を組み合わせることで、安定した通信環境を得ることに成功したそうだ。

ネットワーク構成図
今後予定されている実証実験は以下の通り。

1.育成状況の見える化の実現
圃場に設置したカメラを利用した育成状況の収集・蓄積・AI分析
2.農業技術の伝承および経験の浅い従事者への支援
スマートグラスで撮影した熟練農業者の作業の様子を経験の浅い農業従事者に送信。
3.農業従事者の安全の確保
農業従事者の行動・体位・加速度等を感知する危険アラームの利用。
4.省力化、効率化
車体カメラを搭載した無人ローバーによる草刈り作業や農薬散布作業。
5.鳥獣害対策
圃場に設置したカメラを利用した鳥獣の検知・撮影・AI分析。

同社は、富山県となみ野エリアが推進するスマート農業・スマートシティ構想の情報基盤および監視システムでの利用も視野に、システムの拡大を図っていく考えだ。


PicoCELA株式会社
https://picocela.com/
SCSK株式会社
https://www.scsk.jp/
となみ衛星通信テレビ株式会社
https://www.tst.ne.jp/
株式会社IoZ
https://ioz.jp/
トレボー株式会社
https://tresbeau.co.jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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