クボタ、NECらと共同でサトウキビのスマート農業の実証実験を開始

国内農機大手の株式会社クボタは、NEC、南西糖業株式会社、有限会社南西サービス、鹿児島県大島支庁徳之島事務所農業普及課と共同で、スマート農業を活用したサトウキビ栽培の実証実験を鹿児島県徳之島で開始した。実証期間は2年間。

データを活用したサトウキビ栽培を目指す


鹿児島県徳之島は、沖縄県に次ぐ国内有数のサトウキビ産地として知られているが、砂糖の原料であるサトウキビは、収穫後すぐに製糖作業を行う必要があるため、収穫作業の進捗状況をタイムリーに把握・共有できる新たな技術の開発が求められているという。

今回の実証実験では、有限会社南西サービスが管理する約40ヘクタールのサトウキビ畑を実証フィールドに、以下2つの内容を実施していく。

  1. 収穫機の稼働情報を営農支援システム「KSAS」に送信して収穫作業の進捗状況を確認。
  2. 農業ICTプラットフォーム「CropScope」を活用してAIによる生育状況の確認・収量予測を実施。

収穫作業の様子
出典:https://jpn.nec.com/press/202203/20220302_02.html

実証実験で使用しているセンサー
出典:https://jpn.nec.com/press/202203/20220302_02.html

各者の役割は以下の通り。
株式会社クボタ、株式会社南九州沖縄クボタ
・「KSAS」を活用した収穫作業の自動進捗把握機能の企画・開発
NEC
・「CropScope」を活用したデータ分析
南西糖業株式会社
・収穫作業の進捗状況と連動した製糖工場の稼働最適化の検討
有限会社南西サービス
・実験圃場での確認・農作業と「KSAS」への情報入力
鹿児島県大島支庁徳之島事務所農業普及課
・地域農家への営農指導
今回の実証実験を通じ、サトウキビ生産者や製糖事業者の課題解決に必要なデータを収集・蓄積することで、データを活用した次世代型のサトウキビ栽培を確立したい考えだ。


営農支援システム「KSAS」
https://ksas.kubota.co.jp/
株式会社クボタ
https://www.kubota.co.jp/
NEC
https://jpn.nec.com/
南西糖業株式会社
http://nanseitg.co.jp/
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
パックごはん定期便