メーカー問わずデータ通信可能な国際規格「ISOBUS認証」を日本の農機メーカー4社が初取得

農研機構は、株式会社ササキコーポレーション、株式会社タカキタ、東洋農機株式会社、株式会社ヤハタ、公益財団法人とかち財団と実施した共同研究の成果を公表した。

後付け可能な汎用ECU等を開発


農研機構らが実施した共同研究は、国際規格のひとつであるISOBUS認証の作業機を開発するもの。ISOBUSとは、農業用トラクターや作業機などメーカー間で仕様が異なる情報通信システムの電気的接続を可能にする国際規格のひとつである。

公表した研究成果の内容は以下の通り。

1.ISOBUS対応の作業機を開発・製造する際に利用できる汎用ECUの開発

出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/iam/152162.html

ヤハタが開発した後付け可能な汎用ECU。高額な海外製コントローラを導入しなくても、ISOBUS対応の作業機を開発・製造できるのが特長で、開発にかかる費用を従来の3分の1以下に抑えることができる。

2.汎用ECUを搭載したブロードキャスター(粒剤散布機)の開発


出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/iam/152162.html

ササキコーポレーションが開発した汎用ECU搭載のブロードキャスター(粒剤散布機)。ヤハタが開発した汎用ECUを利用している。

3.汎用ECUを搭載したポテトハーベスタ(馬鈴薯収穫機)の開発

出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/iam/152162.html

東洋農機が開発した汎用ECU搭載のポテトハーベスタ(馬鈴薯収穫機)。ヤハタが開発した汎用ECUを利用している。

4.ブロードキャスター(粒剤散布機)専用ECUの開発

出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/iam/152162.html

タカキタが開発したブロードキャスター(粒剤散布機)専用のECU。ISOBUS共通操作端末と接続できる。

5.日本の作業機メーカーで初めてとなるISOBUS認証の取得

出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/iam/152162.html

今回の研究によりササキコーポレーション、タカキタ、東洋農機、ヤハタの4社がISOBUS認証を取得。ササキコーポレーション、東洋農機、ヤハタの3社については、ISOBUSの定義、適合性の確認を実施する国際農業電子財団(AEF)のデータベースで確認できる。

なお、ヤハタが開発した汎用ECUについては、2022年4月の発売を予定している。


農研機構
https://www.naro.go.jp/
株式会社ササキコーポレーション
http://www.sasaki-corp.co.jp/
株式会社タカキタ
http://www.takakita-net.co.jp/
東洋農機株式会社
http://www.toyonoki.co.jp/
株式会社ヤハタ
http://www.yahata-net.com/
公益財団法人とかち財団
https://www.tokachi-zaidan.jp/
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  1. よないつかさ
    1994年生まれ、神奈川県横浜市出身。恵泉女学園大学では主に有機栽培について学び、生活園芸士の資格を持つ。農協に窓口担当として5年勤め、夫の転勤を機に退職。アメリカで第一子を出産し、子育てをしながらフリーライターとして活動。一番好きな野菜はトマト(アイコ)。
  2. syonaitaro
    1994年生まれ、山形県出身、東京農業大学卒業。大学卒業後は関東で数年間修業。現在はUターン就農。通常の栽培よりも農薬を減らして栽培する特別栽培に取り組み、圃場の生産管理を行っている。農業の魅力を伝えるべく、兼業ライターとしても活動中。
  3. 槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
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    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
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    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。