オイシックス・ラ・大地、「子ども食堂」や食育への支援を強化

2016年6月より、食品宅配大手のオイシックス・ラ・大地株式会社は、「子ども食堂」への支援を強化する。従来通りの安心・安全に配慮した食品を提供しながら、生産者と連携することで、子どもの体験型イベントや「農地レシピ」の提供にも取り組む。

食品ロスの解消から新たな「子ども支援」へ

安心安全な農産品や加工食品、ミールキットなどの食品宅配を展開するオイシックス・ラ・大地は、全国に7箇所の物流拠点を持ち、近隣の「子ども食堂」に向けて一部食材の提供を行っている。子ども食堂とは、子どもやその親、および地域の人々に対し、無料または安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供するための社会活動で、各種NPO法人などが運営するサービスだ。

同社の物流拠点では入荷時の検品により、熟れすぎていたり小さな傷があったりなど宅配には不向きでも、すぐに調理すれば問題のない生鮮食品が見つかる。オイシックス・ラ・大地では、子ども食堂を運営する各種団体にこれらの食材を届けることで有効利用してもらい、食品ロスの削減に寄与する仕組みをとっている。

これらの食材の提供に加えて、2019年6月からは同社の企業理念である「これからの食卓、これからの畑」の実現のため、新たな支援に乗り出す方針だ。

具体的には、子ども食堂に参加する子どもたちに生産者直伝の「農家レシピ」を提供するほか、農作業が体験できる「産地イベント」に子どもたちを招待するという。一方では、子ども食堂のゲストとして生産者を招待し、農業にまつわる話をすることで、生産者と子どもたちが「畑の体験」を共有する機会をつくる意向だ。

第一段階としては、同社物流拠点の「ORD板橋ステーション」(東京都板橋区)が食材を提供している「NPO法人ドリームタウン」「一般社団法人東京子ども子育て応援団」「NPO法人imitata」が主催する、全8箇所の子ども食堂でサービスを実施していく。




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生産者とのコミュニケーションもできるイベント農作業体験ができる「産地イベント」

農作業体験のできる産地イベント

心と身体の成長に必要な「食べる力」を育むために

近年は、食を通じての親子や家族との関わりが減少し、朝食の欠如や孤食をはじめ、小児期の肥満、思春期のやせの増加など、食生活においての諸問題は多様化・深刻化している。

これらの課題に対応し、家庭や社会の中で子ども1人1人が健やかな心と身体を育くむためには、第一に食育を推進するための支援づくりが必要となる。

その点、オイシックス・ラ・大地では、食に関する社会課題をビジネスの手法で解決する事業を目指していく姿勢だ。有機・特別栽培野菜、添加物を極力使わない加工食品など、安心・安全に配慮した食品の宅配サービスを提供する傍らで、今後は子どもたちの「食べる力=生きる力」を豊かに育むための支援に期待が寄せられる。


<参考サイト>
オイシックス・ラ・大地株式会社
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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