生産者と子ども食堂をつなぐマッチングサイト「OPEN!子ども食堂」が公開

日本流通管理支援機構株式会社は、廃棄食材に悩む生産者と子ども食堂をつなぐマッチングサイト「OPEN!子ども食堂」を公開した。

個々の運営団体に分散していた子ども食堂の情報を1つのプラットフォームに集約することで、寄付をしたい生産者、食堂の運営者、食堂利用者の三者がそれぞれに抱えていた課題が解決され、利便性が大きく向上する。


食材提供の効率化と食育推進を目指す


日本流通管理支援機構は、日本産農産物の模造品対策や流通管理、食材のトレーサビリティシステムの提供を専門とする企業。これまでには、日本青果物輸出促進協議会におけるブランディング・マーケティングの流通支援、農林水産省の補助事業における大規模かんしょ事業などを行ってきた実績がある。

子ども食堂は、経済的に困難な家庭の子どもたちに無料または低価格で食事を提供する施設。この取り組みは全国的に広がる一方で、子ども食堂への食材の寄付には多くの障壁が存在している。その主な原因として挙げられるのが、食堂を運営する多くの団体間での情報共有の仕組みがないことであった。

食材を提供したいと思っても、子ども食堂が加盟する団体や、関係各所に個別に連絡を取る必要があり、提供を受ける団体側も事務的手続きの負担が大きい。その結果、寄付と受け入れが円滑に進まず、寄付を希望している生産者側は食品ロスの問題を抱え、提供を受ける団体側は金銭的な寄付のみに頼る傾向になってしまっているという。


今回公開された「OPEN!子ども食堂」は、寄付を希望する生産者と子ども食堂の運営者がそれぞれ専用のマイページを持ち、直接マッチングができるシステムを提供するというもの。これにより、寄付希望者は食材を容易に提供できるうえ、フードロスの削減にもつながり、食堂運営者は必要な食材を迅速に得ることが可能になる。

具体的には、農業や水産業を営む企業が「○○食材が欲しい食堂はありませんか?」という案件をサイト上に掲載すると、登録されている子ども食堂に通知が届き、「受け取る」「受け取らない」をクリックするだけで寄付が成立するというシンプルなシステムになっている。


子ども食堂の利用者にとっても、近所の食堂を簡単に見つけられるのがメリットだ。従来の仕組みでは、ある団体が運営しているWebサイトでは、その団体が運営している食堂しか出てこないため、近所にあるはずのほかの食堂の情報を知ることはできなかったという。

「OPEN!子ども食堂」では、団体ごとの管理画面が存在し、自団体が管理する子ども食堂を新規登録・編集できるため、利用者は団体の垣根を越えて横断的に食堂を探すことができるようになる。また、子ども食堂を運営する団体にとっては、Webサイト設立の手間や費用を抑えることが可能だ。


日本流通管理支援機構は、将来を担う子どもたちに「お金」という募金の形だけではなく「食」を通じてさまざまな日本の食材を味わってもらい、子どもたちに「どんな場所で、どんな人が作っているのか?」ということを知る機会を与え、地域の生産者とのつながりを強化し、食育につなげていきたいと考えている。

既に多くの生産者からの支援の申し出を受けており、高級魚である「金目鯛」を提供したいという漁業関係者からの声があるなど、具体的な寄付の希望が寄せられているという。

今後は、プラットフォームの利便性をさらに高めるために、食堂の利用者もアカウントを作成できるようにする予定だ。


日本流通管理支援機構株式会社
https://jdmso.co.jp/
OPEN!こども食堂
https://sodate.kids/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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